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トーチソング・トリロジー

トーチソング・トリロジー

TORCH SONG TRILOGY

115

yuw********

5.0

ハーヴェイ・ファイアスタイン

数年前、ゲイのことが何か気になって見てみた映画。 カミングアウトしてないゲイの人の心情が、当時の私の心情にぴたりと当てはまったから。「自分を押し殺して生きてきた」の部分が。 とは言え、私はゲイの世界のことは全く知らなかった。 どんな付き合い方をするのか、どんな別れ方をするのか、どんな時にどういう気持ちになり、他人からのどういう言動に傷ついたり怒ったりするのか。 この映画は自然体な一人のゲイの人の生きざまを描いていてとてもわかりやすかった。 それもそのはず・・かな。 実際にゲイであるハーヴェイ・ファイアスタインの・・・えーと、脚色・主演だそうだから。 私は実際にゲイの人と接したことがないから、映画の中で主人公の言動に少し違和感は感じたりしたけど。でも主人公はほんとに自然に「自分」を表現してるように感じた。だから私も「この人はこういう人なんだ」と納得しながら見ていった。 あとから気づいたんだけど。この主演のハーヴェイ・ファイアスタイン。 「インディペンデンス・デイ」にも出てた。すっごく好きなタイプの演技と思って見てたからなんだか嬉しかった。 そうか、この人があの人だったのか。どの辺が好みの演技かというと、「流れるように自分を出してる」みたいな感じかな。そしてそれがストーリー全体の中にうまく馴染んでる・・みたいな。 あの吐きそうな顔、最高。あれがなかったらあのシーンの魅力は半減すると言ってもいいくらい。にしても、ああいう場面でああいう演技をするなんて。見たことないと思う。すごい新鮮。 そして「ミセス・ダウト」にも出てた。楽しかったー!出番は少ないんだけど。 いいなぁ、自然な感じで。ほれぼれ。 何が言いたいかというと。 これが、自分を受け入れ、世の中にもカミングアウトした人の姿なのかなと。 それも自然な形で。 そりゃ、様々な試行錯誤とか葛藤とかあったのだろうと推測するけれど。 「自分の生きる道を自分で切り開いた」の感がとてもリアル。 実際、ひと昔前、ふた昔前は今よりももっと大変だったと思うし。普通な感じで命の危険にさらされたりとか。完全な差別。人間扱いしてない人が普通に多かったみたい。 ハーヴェイ・ファイアスタインをまぶしいと感じる。 ごく当たり前に自分を押し殺してきた私から見たら。 何をどう押し殺してきたのかはわからない。 それが当たり前になってるから。 小さい頃からそうだったみたい。 「生まれてきて嬉しい」と思ったことがない。 「生きること」は「真綿でじんわりと首を絞められ続けること」って感じがする。 ・・・やっぱり問題あるのかな、私。 そうそう。ハーヴェイ・ファイアスタインの舞台裏の話。 ゲイ役の共演者に対して、「実際の彼は200%ストレートよ」とコメントしてた。 そういうさりげない気遣いもしてて、ほんとに魅力的な人と思った。

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