あらすじ・解説
解説:allcinema(外部リンク)
作品レビュー(22件)
- エル・オレンス
3.0点
おそらく、ヴィム・ヴェンダース監督の作風は自分の趣向に合わないのでしょう。以前観た『パリ、テキサス』(1984)然り。 ですが、モノクロ映像を通して、印象的な場面があちこちに登場します。少女に撮られたジャーナリストのしかめっ面写真、カメラ目線で自転車を漕ぐ少年、そして列車の窓から乗り出す2人のアップから、次第にカメラを引いていき、列車全体、そして美しき田園風景全体を映して幕を閉じる演出・・心に染みました。
- npp********
5.0点
うだつが上がらない男フィリップと少女アリスの旅・・・ 淡々としており、それが心地よい。 2人で証明写真を撮るシーンが印象に残る。 1枚ずつ表情が変わっていき、最後の1枚では2人仲良くニッコリ その写真を眺めて思わず笑ってしまうアリス アリスの隠しきれない子供っぽさが上手いなぁ~ 自然と入っていく映像や音楽が素晴らしい。 汚い心が洗い流されるような感覚・・・ 旅を続けても親子というわけではないので、どうしたって別れが訪れる。 ほのぼのとしていた空気が一気に切ない。 ラストシーンは卑怯・・・・・ 物語は平坦なんだけど鑑賞後の余韻がすごい。
- y_9********
5.0点
撮った写真が見るのと違うと主人公は塞ぎますが、人の見る光景には無意識にせよ自分が入っていて、それと同じものを写真に残すには、まず風景の中の自分を明確に意識することが必要です。主人公の自我は何故か傷んで薄れかかっているのでしょう。こういう状態では満足な写真を撮ることはもちろん、旅行記など書けるわけもありません。 そんな主人公と、これも気丈にふるまってはいますが捨て子寸前で心を傷めているアリスという少女との偶然の道行きがこの映画です。 いくつかのエピソードを経て、主人公の自我がちょうどポラロイド写真のように徐々に元の形を現していく過程が描かれます。風景の中に自分に関わる確かな他人を見つけたことで相対的に自我が回復されたのでしょう。 などとわけのわからない理屈はともかく(-_-;)静かで雰囲気のある良い映画でした。どなたか書いていましたが、いつまでも見ていたい気持ちになりました。 パリテキサスの少年も可愛いですがアリスもたいそう可愛いし☆^ー^)それとヴェンダースの映画は見た範囲ですが、悪い奴嫌な奴が一人も出てきませんね、そんなところも心安らぎます。
- nuk********
4.0点
ネタバレフィリップが最後に撮れたもの
このレビューにはネタバレが含まれています。 - UBUROI
4.0点
飛ぶ飛行機を地上から(それはアメリカ)車の中から見上げるシーンではじまり、最後は走る列車を上空から見下ろし、さらにもっと広い地上の眺め、それはルール地方の川に沿って走る列車で、そこには逃亡する男とアリス9歳が乗っている。ふたりは窓を開けて空を見上げる、そこからカメラはぐんぐんと上昇してラストになる。乗り物に対する執着にあふれた映画だ。ヴェンダースの映画はそんな作品が多かったようにも思うが、何分これの前が『非文字』だったから、あの歴史劇に乗り物は登場しない。小舟ぐらいか。だが、ここで驚くのはブッパダールのモノレールである。モノレールが駅を出て行くところを列車後部から撮影したシーンが誠に不思議な光景だった。乗り物自体は見えないためにカメラが宙を浮遊するかのように、しかしそれは一定の軌跡の上を走っている(飛んでいる)かのように見えるのだ。ヴェンダースはブッパダールのモノレールを再度、映画の中で映し出しているが、それは地上からダンスのエチュードする者たちの姿だ。踊る人々の上をモノレールが通過していくのだ。どちらかといえば幻滅な作品『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』でだ。ともかく主人公の男はアメリカのルポルタージュを書くことを諦めニューヨークから飛行機で祖国ドイツに向かおうとする。そこにアリスと母親が現れる。3人は空港のストライキのために足止めをくらい、しかたなくアムステルダム行きの飛行機を予約する。翌日母親は失踪する。アリスを男にゆだねて。二人はニューヨークからアムステルダムに向かい、そこで母親と合流するはずだったが現れもせず、アリスのおぼろげな記憶をたよりに祖母の家を尋ねることにする。それがブッパダールだ。さらにルール地方へ、そして男の実家へ向かう列車で映画は終わる。
スタッフ・キャスト
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