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読書する女

読書する女

LA LECTRICE

99

一人旅

3.0

発掘良品を観る #429

TSUTAYA発掘良品よりレンタル。 ミシェル・ドヴィル監督作。 他人への本の読み聞かせを仕事にする女性の姿を描いたコメディ。 レイモンド・ジャンの原作小説「La Lectrice」を基にした不思議な心地のフレンチコメディで、他人に本を読み聞かせることで報酬を得ている女性の日常を、彼女を取り巻く様々な人物との関係性の中に映し出しています。『セリーヌとジュリーは舟でゆく』(1974)のように現実とフィクションが入り混じった構成が特徴で、現実の主人公が同棲中の恋人に上記女性を主人公にした小説を読み聞かせるかたちで物語が進行していきます。つまり、職業として本を読み聞かせる女性のお話はあくまで“小説の中のお話”なのです。ただ、現実の主人公も小説の中の主人公も同一人物として描かれ、主人公の中で現実とフィクションの境界があやふやになり、やがてそれは現実とフィクションが一体化する(正確には現実がフィクションを引き継ぐ)結末へと迎え入れられます。 技巧的な劇構成がユニークな作品ですが、お話はやや面白味に欠ける内容です。ただ、壁紙や小物、服装に至るまでグリーンに統一した色遣いが鮮烈に印象的で映像面においてもドヴィル監督の独創性を見出すことができます。 主演はミュウ=ミュウ。純朴さと官能性を兼備した演技でヒロインを好演しています。風変りな名前がインパクト絶大な女優さんですが、もちろんこれは芸名で本名はシルヴェット・エリとこれまた洗練されています(なぜ「ミュウ=ミュウ」にしたのか…)。

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