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暗黒への転落 (1949)

KNOCK ON ANY DOOR

監督
ニコラス・レイ
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  • みたログ 33

3.86 / 評価:14件

何が犯罪者を生むのか?

  • 一人旅 さん
  • 2016年2月27日 20時57分
  • 閲覧数 396
  • 役立ち度 4
    • 総合評価
    • ★★★★★

ニコラス・レイ監督作。

警官殺しの容疑で起訴されたスラム出身の貧しい青年・ニックと彼の弁護士・モートンの姿を描いた法廷サスペンス。
裁判を通じて社会の偽善を浮き彫りにした作品で、ハンフリー・ボガート扮するモートンによるニックの過去の回想シーンと現在の裁判シーンが交互に映し出される。ここで重要なのは、“何が犯罪者を生むのか”ということ。
ニックが過去に犯罪を犯してきたことは紛れもない事実。店に盗みに入り、駅員を襲い、職場の上司を殴った。そうした行動はニックの心の弱さが招いているのは明白だが、果たして全ての責任がニックただ一人にあるのだろうか。
盗みを行うきっかけは貧しさからではないだろうか?上司を殴った理由は前科者であるニックに対する偏見の眼差しがあったからではないだろうか?教護院でニックが受けた辛い仕打ちは?社会に父を殺されたニックの怒りと悲しみは考慮されないのか?妻を失った責任も果たしてニックだけにあるのだろうか?
ニックは社会における立派な負け組だ。スラム出身で、移民で、貧しくて、学歴もない。置かれた環境がニックのような社会からはみ出た人間を生み出す。陪審員や検事、そして恵まれた生活を送る一般市民はニックのような社会の底辺に属する人間の不遇な境遇を理解できない、というより理解しようともしない。社会からはみ出て罪を犯した、という単純な既成事実だけでニックのような人間の人格を判断し、簡単に切り捨ててしまう。
社会の弱者に対する人々の無理解、不寛容を暴き、通念上の正義の犠牲者となる若者の姿を悲劇的に映し出している。
また、光と影のコントラストを意識した映像が素晴らしい。特に、警察が容疑者を追い詰めていく序盤のワンシーンは絵画的で完璧な美しさ。ニコラス・レイ監督の映像手腕が最も発揮されたシーンだ。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

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