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ドクトル・ジバゴ (1965)

DOCTOR ZHIVAGO

監督
デヴィッド・リーン
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  • みたログ 831

3.91 / 評価:341件

細菌の本質とは?

  • ジャビえもん さん
  • 2021年1月28日 19時58分
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

映画の前半で、主人公のユーリは恩師から言われます。「社会に出たら細菌の本質をいやというほど知ることになる」と。なるほど、この後の展開では、人間の嫌な部分がこれでもかというほど描かれます。裏切り、不貞、不倫…。なかでも、主義主張のために他人を苦しめ、人命まで奪うという行いは、見ていて吐き気さえ催します。主人公にしても不倫に溺れ、ラーラだって肉欲に負けて母親を裏切るわけで、コマロフスキーが言うように、誰もかれも本質は変わらないのでしょう。人は細菌と何ら変わらず(自らが生きるためなら何でもします)、いえ、細菌以上に厄介な生き物(思想を持たない細菌の方がまだまし)だということが、この映画を観ているとよくわかります。

ただ、映画の最後では救いもあります。ユーリの娘がバラライカの名手だと聞いたユーリの兄が、その受け継がれた才能に喜びをいだきます。人間にも美しい部分はあって、それこそ受け継がれていくべきだと作者が訴えているようです。

けれど、恐らくは人間の醜い部分も美しい部分も、川の流れのように途切れることがないのでしょう。そして、そんな人間の行く末は、水が流れ落ちてゆくかのごとく、運命には逆らうことができないのでしょう。そんなことを考えさせるラストは、感動的というよりは、切なさを感じさせるものだと思いました。

映画の中では、あることを暗示した表現も多く見られます。パンタグラフ(?)が火花を散らすところ。雪の上の鮮血。アイロンを押しつけ続けてシーツ(?)を焦がすところ、等々。セリフも含め、一つ一つの描写に何らかの意味や暗示を持たせているのだろうと身構えて鑑賞すると、観直す度に新しい発見があります。

文学的要素、音楽要素、映像、どれも素晴らしく、役者さんたちの存在感には圧倒されます。中でも、ジェラルディン・チャップリンがいい。以前はジュリー・クリスティの美しさに見惚れていましたが、今になって観直すと、ジェラルディン・チャップリンの演じる女性の、良妻賢母ぶりが、とりわけ印象に残ります。この映画の中で、数少ない「いい人」だからでしょうか…。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • スペクタクル
  • ロマンチック
  • 知的
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