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年ごろ (1938)

THAT CERTAIN AGE

監督
エドワード・ルドウィグ
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3.50 / 評価:2件

おじさんに恋をする少女

  • rup***** さん
  • 2020年5月24日 23時38分
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  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

ユニヴァーサルにおけるディアナ・ダービンの主演第4作目となる本作では、思春期に差し掛かる年齢になったダービンの成長に合わせて彼女が演じる少女の恋愛が描かれるのですが、ダービンは、「天使の花園」と「オーケストラの少女」の大ヒットにより当時弱小映画会社だったユニヴァーサル社の経営危機を救った救世主として会社から大切に扱われた秘蔵っ子スターだけあって、そう簡単に同年代の男の子とラブラブな恋愛関係になるようなストーリー展開にはなりません。

前作「アヴェ・マリア」では聖歌隊の少年(ジャッキー・モラン)に淡い恋をし、本作にも子役時代のジャッキー・クーパーがケンというボーイフレンドの役で出てきますけど、まだまだお子ちゃま同士の恋愛ごっこといった扱いで、スクリーン上の初めてのキスと大々的に宣伝される本格的な恋愛相手は、6作目の「銀の靴」におけるロバート・スタックまでお預けということになるわけです。

本作でダービンが演じるアリスが一方的に思いを寄せることになる相手はメルヴィン・ダグラスで、ダービンからしたら、相当歳の離れたおじさんです。
そうはいっても、ダグラス自身は、本作の前後に当たる年に、エルンスト・ルビッチ監督の「天使」と「ニノチカ」に出演し、それぞれディートリッヒとガルボという大女優の相手役を務めるなどして脂が乗っている時期なので、本作でもダンディでありながら軽妙かつ嫌味のない演技を披露しています。

新聞社の社長をしているアリスの父親(ジョン・ハリデイ)は、親友の特派員記者であるヴィンセント(メルヴィン・ダグラス)が久しぶりに帰国したので、自宅に招き、ゆっくりと記事を書き上げることができるように離れにあるゲストハウスを提供したところ、そこはケンが中心となって結成された劇団がお芝居の練習をする稽古場として使っていたため、アリスたちは、お邪魔虫のヴィンセントを追い出そうと計画を練り始めます。

幽霊騒動を起こしたりする子供らしい追い出し作戦が楽しいのですが、ヴィンセントに計略がバレてアリスが捕まった際に、疲れた様子のヴィンセントを見て、突然彼に対して恋心が芽生えてしまうと、一転して彼を帰さないよう、仲間たちをあっさりと裏切って1人画策し始めてしまうのがダービン映画らしい面白さです。

本作は、ハリウッドで監督デビューをする前のビリー・ワイルダーと相方であるチャールズ・ブラケットのコンビがノンクレジットで脚本の一部を手掛けていて、アリスが手のひら返しをする電報のシーンと同様のやり取りが、2人が脚本を書いている翌年の「ミッドナイト」の電話のシーンでも用いられているのが興味深いところでもあります。

事情を知って子供たちに協力するつもりだったヴィンセントが思わぬ展開に呆気にとられる一方、自分が片想いされているとは想像すらしていないヴィンセントに対して、日記に思いを綴って秘かに恋心を募らせていくアリス。
自分の気持ちに忠実に一途に突き進んでいく様子が如何にもダービンらしいのですが、今だったらストーカー少女を描いたホラー作品になりかねないような題材かもしれませんね。

以前「スイングの少女」のレビューを書いたときに頭に浮かんだのが本作で、この2作品を見比べると、ジェーン・パウエルが第2のディアナ・ダービンに成り得なかった決定的な違いが判るのではないかと思います。

ダービンの歌については、冒頭、ボーイスカウトの男の子たちの前で朗らかに歌う“Be a Good Scout”もいいのですが、子供たちが練習をしている劇中で披露される“Les Filles de Cadiz”がオペラ的な歌唱で実に素晴らしい。
さらに、アカデミー歌曲賞にノミネートされた“My Own”は、歌そのものは聴きごたえがあるものの、ヴィンセントの目の前で「あなたを私のものと呼ばせて…」と歌うのがちょっと怖いですね(笑)。

ダービンの初期の作品10本はすべて、名プロデューサーであるジョー・パスターナックが手掛けているので、どれも似たようなテイストになってはいるものの、両親との場面では、エドワード・ルドウィグ監督の演出にヘンリー・コスター監督のようなほのぼのとしたタッチが出ていないのはちょっと残念。
とはいえ、足先で物を指し示す父親の仕草を真似るアリスが可愛らしいですし、お母さん役のアイリーン・リッチに「拳銃無宿」や「アパッチ砦」における母親役と同じような優しい雰囲気が感じられたのは良かったです。

また、本作は、子供たちが劇団を結成してショーを行うというミッキー・ルーニー&ジュディ・ガーランドのコンビによる『裏庭ミュージカル』の基本プロットが既に使われていたという先駆的作品であることも注目したい点です。

〈昔購入した輸入版VHSで再鑑賞しました〉

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