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海の上のピアニスト (1998)

THE LEGEND OF 1900

監督
ジュゼッペ・トルナトーレ
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4.13 / 評価:841件

◇モリコーネのスコアが凄すぎた・・・◇

個人的な話になりますが、
映画観賞する前に確認する事が1つ。
それは、映画音楽(スコア)を
誰が手掛けているかを確認して、
音楽を通じ、映画の世界観を楽しむこと。

スピルバーグ監督作なら、ジョン・ウィリアムス。
ティム・バートン監督作なら、ダニー・エルフマン。
クリストファー・ノーラン監督作なら、ハンス・ジマー。
鉄板というべき、監督と音楽担当者のコンビネーションなら、
その作品のクオリティは保証されたのも同然。

そして、今作の監督である
ジュゼッペ・トルナトーレ作品なら、
音楽は、エンリオ・モリコーネ。
『ニュー・シネマ・パラダイス』の、
ストーリー、映像、音楽の
各々の相乗効果の高さを超える作品は、
未だにお目にかかることはありません。

お恥ずかしい話、
先日DVDレンタルで観賞したのが、初鑑賞。
観ようとしたきっかけは、エンリオ・モリコーネが手掛けた、
あの壮大で感傷的で繊細なテーマ曲に惹かれたから。
観賞後、確かに、エンリオ・モリコーネの音楽に関しては、
素晴らしかったのは間違いありません。

豪華客船内で生まれ、戸籍上、存在しない子供。
その子供が持っている非凡なピアノ演奏の才能。
そういう不遇な設定のキャラの、
哀しくも、狭い世界で生きざるを得なかった人生。
そして、クライマックスの、
ナインティーン・ハンドレッドが、
生まれた豪華客船からでることなく、
運命を共にするシーンも、説得力がありました。

しかし、残念ながら、
『いい映画なんだけど・・・』という、
印象を抱いてしまいました。

続けて書けば、
『いい映画なんだけど、もう一歩、心を掴む何かが足りない。』
というべきなのでしょうか・・・

出演者、ストーリーや、演出に関し、
致命的な弱点はありません。
弱点がないと書かざるを得ないということは、
真っ当な創りと写り、
並の演出と無意識に感じてしまったという証。

この映画の一番の功績であり、弱点は、
エンリオ・モリコーネの音楽であること。
具体的に書けば、
エンリオ・モリコーネの音楽が素晴らしすぎて、
音楽以外の部分が、かすんでしまったということ。

個人的な見解ですが、
映画音楽というものは、映画の引立て役であり、
映画そのものの相乗効果を上げる重要なモノであると思います。

この映画の監督作の一番の傑作である、
『ニュー・シネマ・パラダイス』は、
ノスタルジーと、大人へと成長する過程での辛辣なテーマを、
映画音楽で見事に引き立ててくれました。
だからこそ、『ニュー・シネマ・パラダイス』は、
今でも語り継がれる所以であると思います。

しかし、今作は、
映画音楽と映画本編との相乗効果を感じられないのです。
映画音楽がよすぎて、映画そのものが並みに見えてくる。
そう私は思いました。

そして、もう一つ指摘するとしたら、
哀しくも、背一杯に生きた主人公の生き様を、
時間を費やしてでも、更に丁寧に描いていれば、
印象が変わっていたかもしれません。

ウィキによれば、本場イタリアで公開されたのは、
日本公開版(120分)より、長い160分版だそうです。
実は、この160分版(オリジナル版)は、
日本では、DVD発売されていないとか。
オリジナル版が発売、或いはDVDレンタル開始して、
観賞したら、印象が変わるかもしれません。

そういう点を踏まえ、今作は、敢えて☆4つ。
映画音楽というのは、脇役であること。
脇役すぎてもいけないし、主役になってはいけない。
映画本来の持ち味を引き立ててこそ、
映画音楽の面白さがあると思います。

映画音楽の役割のバランスの難しさを、
勉強する一作となってしまいました・・・。

詳細評価

物語
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映像
音楽

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