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菊次郎の夏

ミキ

5.0

センスがいい

達成感を得ることも、感動することもなく、下手糞なリズムを刻みながら、ぎこちなくも淡々と流れていく人生にそっと寄り添い、肩を叩いてくれる、ゆったりとした波長で安らぎを与えてくれる作品。 最初に観た時は、突き刺さる衝撃がありました。以降何度も見ていますが、毎回、見終わる頃に優しい気分になれます。北野監督は、誰かの平凡な人生に気づきを与えるような事がやりたかったのだろうと思っています。 正男というアイテムを使って自己の欲を満たそうとするも、結局のところ正男に感情移入して奔走する菊次郎のギャップに親しみを感じました。正男の痛みを、損得勘定無しに自分の事のように感じ取る心を持ち合わせる、優れた人間のお手本ですね。

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