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完全なる飼育

本棚の出品

3.0

うーん

俳優も撮影も脚本もよく出来てる。にも関わらずそれぞれの頑張りほどには面白くないのは、設定が貧乏臭いからだ。 99年の公開ということはバブル崩壊へのアンチの意味があったのだろうが、正直いってそういうことはどうでもいい。日本映画がつまらないのは貧乏臭いからだという話があるが、これを見るとそう思う。腕のあるスタッフがいても、自己客観化のない矮小な観念に依っていては普遍性を獲得できない。 これは資産のある者を主人公にしても同じである。教養がないので資産を成り上がりの目線でしか描けないのだ。それは文化的貧しさである。文化的な貧しさに居直った者が映画を作ればつまらないにきまっている。 それなりの出来であるがゆえに悪い見本だと思う。 追記 カメラワークは本当にうまく、無駄がない。また、音楽の使い方も上品で安心して見ていられる。今の自意識過剰な監督連中はこれを見て勉強してほしい。和田勉氏はテレビによく出ていたが、テレビでのバカにされる役柄からは本作の作風を伺うことはできない。

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