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愛と死の記録 (1966)

監督
蔵原惟繕
  • みたいムービー 7
  • みたログ 54

3.06 / 評価:18件

ラストシーンの痛切さを噛みしめよ!

  • nqb***** さん
  • 2012年1月24日 22時10分
  • 閲覧数 2073
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

蔵原惟繕監督。吉永小百合、渡哲也、中尾彬、芦川いづみ、佐野浅夫。

1966年キネ旬ベストテン第11位。

 蔵原惟繕監督は「愛の渇き」が印象に残ってます。まぁこれはオイラが三島好きというのと浅丘ルリ子が好きっていうのが前提なのですが(笑)

渡哲也が若いです。三原幸雄(渡)は印刷工やってます。楽器屋に勤める和江(吉永小百合)と知り合って瞬く間に恋に落ちる二人。幸雄のバイクでドライブしちゃったりします。この時代はノーヘルです。危ないですね(笑)二人で海を見ているときのショットなんて青春しちゃってます。このとき和江は子供の頃楽しかった思い出はなに?とか幸雄に聞きますが、突然沈黙する幸雄。これが伏線。「わし、現在しか考えられんよ」実は幸雄は原爆症の被爆者なのです。病は一時的に小康状態を保っているに過ぎず、ある日仕事中に眩暈を感じ、入院することになります。一方和江は幸雄との結婚も意識しだした頃でしたが、幸雄の勤め先の親代わりでもある岩井(佐野浅夫)が、二人の交際を快く思っていないことを知り不安に駆られていました。入院する前に幸雄は和江に全てを話しました。幸雄の全快を信じて必死に看病する和江でしたが、容態は日に日に悪化して行きついに幸雄は和江が居ない間に息を引き取ってしまうのでした…。

 印象的な手持ちキャメラの映像。心に残る場面はいくつかあります。まず、二人のバイクでのデートの場面。海を見つめて寄り添う二人。「この瞬間を永遠に記憶するんじゃ!いつまでも。いつまでも」「10年先…ふたりは別々…」こう呟いた幸雄の表情に和江は大きな不安を感じます。無論この時点では和江は幸雄が被爆者であるなんて知る由もありません。“このひと…浮気性じゃないかしら”ってな疑惑でしょう。この後デートは大雨にたたられバイクで帰るふたりはびしょ濡れになります。この演出が好き。二人の行く末を暗示しているからです。

 ラスト近くで院長に二人が始めて心を通わせた日に行った喫茶店の「バンビ」の人形を贈るシーンもいいです。院長がふと人形の底をみると二人の名前と年齢が書き記してあるんですよ~。院長はそれで全てを悟ります。

 しかしラストシーンの痛切さはどうでしょう。原爆を落としたアメリカに対してふつふつと怒りがわいてきます。原爆投下から20年もあとの若く清い若者たちにこれだけの傷跡を残す過酷さ。その罪深さを贖ってもらいたいです。いまも原爆を落としたことは正当だったって国民の75パーセントがシャアシャアと言ってのける国ですよ。無辜の市民を何十万人も殺しておいて。その子や孫の世代にまで計り知れない苦しみや悲しみをもたらしておいて、知らん振りですよ。オバマは核廃絶を訴える前にまず広島長崎にわびるべきではないですか!「過ちは繰り返しませんから」っていう碑はなんだよ。これはアメリカがいうべき言葉だろう。“主語は「人類」なんだよ~”なんて知ったようなことほざいて、すかしてるんじゃねぇこれ以上いうと映画の感想とは主旨が異なりますから控えます。

 この映画はおなじ吉永小百合主演の「愛と死を見つめて」と表裏一体のような作品です。女と男の差はあるにせよ、マコと和江の人生の選択の“差”は何故なのかっていうことを考えてみるのも一興かと思います。

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