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シビル・アクション (1999)

A CIVIL ACTION

監督
スティーヴン・ザイリアン
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  • みたログ 498

3.25 / 評価:111件

『エリン・ブロコビッチ』とは真逆の話

  • yutaku さん
  • 2016年7月28日 21時18分
  • 閲覧数 1330
  • 役立ち度 0
    • 総合評価
    • ★★★★★

 どうも期待していた内容と違いました。思い描いていたのは『エリン・ブロコビッチ』みたいな内容。公害訴訟がテーマをテーマにした実話と聞けば、どうしたって『エリン~』を連想させます。だから内容も、公害問題がまだまだ黎明期にあった時代に、一介の弁護士が大企業相手に戦いを挑み、苦労の末にみごとに勝利を収めるような、そんなヒーロー物語を思い描いていました。でも、違いました。スクリーンに描かれるのは、想定していたのとは逆の、みじめな失敗物語。なんだか、むなしい気持ちになりました。
 主人公は友人たち2~3人と小さな法律事務所を経営している弁護士です。お金が好きで、バイタリティにあふれ、腕が立つという触れ込みで物語は始まりますが、どうも敏腕弁護士には見えません。大口の顧客はいないようなので、訴訟のひとつひとつで確実に稼いでいかないと、経営は安定しない様子。そうした中で連戦連勝している、まだまだ勝ち組にはなりきれていない発展途上の弁護士に見えました。
 そんな弁護士が、欲に目がくらんで手を出したのが大企業を相手にした公害訴訟です。でも、公害の証拠を固めるためには大掛かりな土壌検査が必要になり、あっというまに資金繰りに窮してしまう。そんな中で、和解するチャンスが何度か訪れるのに、意地になって徹底抗戦を貫いてしまう。事務所のメンバーはこれに猛反発。信頼を失ってしまいます。
 はっきり言って、頭が悪い。観客の目にはそう映りますが、作り手は初志貫徹の男前の弁護士として描き続けるので、嫌な予感がしてきます。裁判が長引いたために、資金繰りに苦しむ様子が延々と描かれ、見ている方としては鬱々としてくる。それでもきっとどこかで状況が打開され、裁判で逆転勝利するんだ――そう信じて見続けるのですが、あっけなく自滅。事務所は倒産。実話らしいと言えば実話らしいのですが、見ている方としてはたまりません。こんなの映画にする意味があるのか? そんな疑問がわきます。
 なぜ、映画になったのかといえば、この弁護士は往生際が悪く、事務所が倒産しても個人で戦い続けたからでしょう。「執念の弁護士」と呼べなくもない。でも、とてもじゃないがそんな立派なものには見えません。せいぜい「意地っ張りの頑固弁護士」です。
 結局、裁判が長引いたことで公害被害が大きくなり、それが原因で大企業側が自滅します。有害物質を垂れ流し続けていた川に火が付き、燃えさかる川になるに至り、国が動き出すわけです。それで、弁護士は「勝利」した格好になるのですが、果たして勝ったといえるのかどうか。なにしろ、裁判なんてしなくても、企業には同じ末路が待ち受けていたはずであり、弁護士にはなんの功績も見当たらないのです。それで、「執念の弁護士」と呼べるのかどうか?
 もともと序盤はお金が大好きなイケ好かない弁護士として紹介されるのですから、とてもじゃないけれど美談には落ち着きません。「執念の弁護士」に喝さいを送る気持ちよりも、落ちぶれた弁護士の姿に「それみたことか」「自業自得だ」という感情が湧き、溜飲が下がる始末…。
 なんだか、観ていて暗い気持ちにさせられる映画でした。
 

詳細評価

物語
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映像
音楽

イメージワード

  • 絶望的
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