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お受験 (1999)

監督
滝田洋二郎
  • みたいムービー 10
  • みたログ 76

2.69 / 評価:16件

スポゲッティって、本当に美味しいのかなぁ

  • ハイジ さん
  • 2009年4月18日 11時52分
  • 閲覧数 1478
  • 役立ち度 53
    • 総合評価
    • ★★★★★

滝田洋二郎監督、1999年の作品です。『木村家の人びと』、『病院へ行こう』等、コメディでありながらも、人としての幸せを考えさせてくれる作品、又、あんな時代にサラリーマンだった人(『僕らはみんな生きている』)、こんな時代に命が惜しくて仕方がなかった人(『壬生義士伝』)を、日本という国が実際に歩んできた時代を背景に描いてこられた滝田監督。本作は、名門小学校への入学試験の為に、厳しい躾(虐待ともいえる)を受け、受験塾で英才教育(偏った勉強)を強いられ、来る日も来る日も面接の練習をさせられる幼稚園児と、その家族のお話です。過酷な内容ですが、こちらも笑えるネタがいっぱい詰まった楽しいコメディです。
この映画はキャストが豪華です。それだけでも鑑賞者が増えそうなので、紹介していきたいと思います。
父・矢沢永吉さん、セリフをかんでいる所が面白かったりします。娘に「スーパーシートって知ってるか?偉い人しか座れないんだ。スーパーだからな!」と、田中邦衛さんみたいな喋り方です。この渋いロック歌手が、教育ママさん達と一緒に、塾長・西村雅彦さんの指揮で「み~んなで勉強~♪アインシュタイ~ン!」を合唱しています。塾長の妻は広岡由里子さん、質問を発する時の真っ赤な口紅が印象的です。母・田中裕子さん、とにかく凄いです。優しそうで怖い、また意外な側面を幾つも持っているびっくり箱みたいな女性でした。気の抜けたおなら、はつらつ熱弁、なりきり聖子ちゃん、そんなコミカルなセンスを発揮しながらも、痛い泣き顔や娘を見守る切ない笑顔が、観ている者の胸を突いてきます。娘・大平奈津美ちゃん、ハキハキしていて、とにかく可愛い!座っているお父さんの背後から抱きついてほっぺをくっ付けたり、電車で一人、リトミックを楽しんでいたり、釣れた魚にはしゃぐ姿も最高でした。同じ幼稚園、受験塾で顔を合わせる教育ママの一人に余貴美子さん、『おくりびと』で日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞された女優さんです。本作での名台詞は「嫌だわ~ん」。妙な色気があって、え?もしかして..と思わせる演出もあります。他にも『おくりびと』の笹野高史さんと小柳友貴美さんが出ておられます。主人公(矢沢さん)はマラソン選手です。彼が所属する陸上部の監督は大杉漣さん。たくましい太ももでマラソンにも参加しておられます。冒頭の「てめぇの足で歩いて、てめぇの足で走ることが人間の原点だ」という言葉が、彼の奥さんを知ることで深みを増します。陸上部員には『Shall We ダンス?』の徳井優さん、先輩を慕う、その機転や心配りが実に快く、時には可笑しく、そして素敵なお父さんでもありました。陸上部の中で主役と肩を並べるのは鈴木一真さん、それから『運命じゃない人』の山中聡さん、 『ALWAYS 三丁目の夕日』の北風寿則さん他、若々しい俳優さんたちが皆、爽やかでかっこよかったです。『モスラ』や『ガメラ』の小林恵さんもおられました。社長に本田博太郎さん、そして螢雪次朗さん。写真館には永島敏行さん。それから橘雪子さん。ちょい役では、看護婦に秋山菜津子さん、一般ランナーにでんでんさん、ちょっと怒った駅員は 『スウィングガールズ』でも車掌だった小形雄二さん、花婿に木下ほうかさん、更に本物のアナウンサーである塩原恒夫さん、マラソン選手の谷川真理さんと宇佐美彰朗さん、小説家の大沢在昌さんまでが出演しておられます。試験会場には、校長先生・岸部一徳さん、教頭先生・もたいまさこさん。 シスター衣装のもたいさんが蟹股で後退る姿には吹き出してしまいました。
名門校に入学するには、子供の学力だけではなく、理想の家族像を面接官にアピールしなければなりません。なのに、大事な入学試験の直前、主人公一家に修復できないような亀裂が生じてしまいます。6歳の子供が父親に「どうしてお母さんと結婚したの?」、母親には「どうしてお父さんと結婚したの?」と不安そうに尋ねる気持ち。この子が父親と一緒に神社で願い事を書く時、「見ないでね」をしきりに繰り返していたので、私の主人が「“新しいお母さん、ちょうだい”って書いているよ」と言った程、子供に自由を与えない母親でした。
‘割れ鍋に綴じ蓋’、この映画は、子供が急にお勉強を頑張り出した理由と、それを知った父親の選択がいいですね。確かな家族愛が心に染みてきます。エンドロールが始まると、矢沢さんの歌声にのせて素敵な映像が次々と映し出されます。これを見逃すと映画の良さが半減するので最後までご鑑賞を。やっぱり家族の笑顔に勝るものはありませんね。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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