レビュー一覧に戻る
特攻大作戦

特攻大作戦

THE DIRTY DOZEN

150

mas********

5.0

男に生まれて良かった、そう思える作品!

久し振りに大好きなロバート・アルドリッチ監督作品のレビューです。 今日のお題目は「特攻大作戦」です。 戦争映画はやはり痛快アクションが好きですね。勿論戦争そのものは忌むべき行為ではありますし、それを美化する痛快娯楽作など人道的に許されるものではないかも知れません。でも戦争を背景に男たちの勇敢さ、逞しさを存分に感じられるのが痛快アクション風なもの。真面目に反戦を訴えた映画を袖にするつもりは毛頭ありませんが、本作の様な戦争映画もそれはそれで楽しめる。実際私は、痛快戦争アクション作としては、神懸かり的に大好きな名作「大脱走」と並んで本作が大好きなのです。 如何にもアルドリッチ風の男臭い映画です。ほとんど生還不可能な任務を与えられたライズマン少佐。この任務の中心は死刑囚や懲役囚ばかり集めた12人の荒くれ者たち。人呼んで“Dirty Dozen(汚れた1ダース)”。脛に傷持つ悪人ばかりのこのチーム、当然てんでバラバラで最初はまとまるわけがない。しかし少佐の厳しい特訓でいつしかチームは一つになっていく。 何はともあれこの素晴らしい俳優陣の顔ぶれにまずはノックアウト。主役のライズマンにリー・マービン。歯に衣着せぬ物言いで、上官からは疎まれる男。このような反骨魂の塊の様な男といったらまず筆頭に出てくるのはマービンでしょう。 そしてライズマンの良き理解者、まず上官の将軍役にアーネスト・ボーグナイン。そう、マービンとボーグナイン、そしてアルドリッチといったら何といっても「北国の帝王」なのですが、あの大傑作がこの3人によって作られたのは本作での共演があったればこそかも知れません。 そして同僚の士官にジョージ・ケネディ、部下で12人を統率する下士官にリチャード・ジャッケル。うーん、唸らせてくれます。 更に敵対するいけ好かない軍人役に名優ロバート・ライアンとロバート・ウェッバー。もう文句なしの配役ですね。 そしてメインの12人、チャールズ・ブロンソン、ドナルド・サザーランド、テリー・サバラス、ジム・ブラウン、そしてジョン・カサベテスですよ!このズラッと並んだ男臭い面々、アラフォーの映画好きから見ればもう鳥肌ものの豪華な顔合わせ! 本作が他の戦争映画より痛快に感じるのはこの12人の設定によるものです。どいつもこいつも重犯罪人なわけですよね。言わば協調性などゼロに等しい。汗水たらして軍事訓練などやるわきゃあないw最初のやる気のないちんたらした訓練風景、さもありなん。平気で上官には食ってかかるし、もう始末に負えない。特にカサベテスは最高です(笑)! それが次第にまとまっていく展開、まあよくあるパターンなのですがこれが非常に心地よい。圧巻はライアン演じる大佐の軍隊との模擬訓練。紅白ならぬ赤軍、青軍に分かれての本拠地奪取ゲーム。自信満々で与太者の集まりなど見下している憎らしいライアン、軍隊らしく規律正しく指揮をする。 一方与太者集団、全員識別用の腕章を赤青両方持っており、卑怯にもその場その場で取り替えて進軍していく(笑)。さすが犯罪者集団、戦争という狂気には卑怯もへったくれもあるものか!ある意味非常に彼ららしい、もうニヤニヤしっぱなしです。 ここで巧いのはボーグナインやケネディなんですよね。彼らは与太者集団のこのインチキを見て見ぬ振りをする。つまり彼らはライアン配下のつまらない訓練された兵士よりも、人間臭いこの犯罪者どもの方に好意をもっているのがよくわかる。やがてしてやられたライアン一派、いやぁケネディの笑いようを見て下さい。ほんとにスカッとします。 しかしこの痛快なシーンが終盤、ガラッと雰囲気が変わる。いよいよナチ野郎のアジトに殴りこみ!12人の中では浮き気味だったマゴットが、「俺は神が遣わした大いなる下僕」だとばかりにドイツ女を刺し殺してしまうことから、綿密なアジト破壊計画は全てパー。このマゴット役がテリー・サバラスなわけですが、偏執狂的な演技は流石。結局これが元で“Dirty Dozen”の面々は一人また一人と斃れていく───。 囚人の寄せ集めの軍隊など所詮こんなもの。いやそういう映画ではないのです。最初はもはや牢獄でただ死を待つばかりの身から逃れるために参加した任務。その中で彼らは確かに生への希望と囚人仲間の団結力、そして誇りを手に入れた。たった一人を除き、“Dirty Dozen”は壊滅する。私はこの映画を観る度、死に逝く男たちの最後の煌めきに男泣きなのです。 やはりアルドリッチは最高の男性映画の巨匠です。Yahoo!映画のレビュー内で、やり取りを多くさせていただいている一部のお気レビの皆さん方は、恐らく私と好みの映画のツボが同じ様に思われます。是非そんな皆さんにはアルドリッチを見て戴きたいです。 男に生まれて良かった、そう思える作品ばかりですので!

閲覧数1,326