レビュー一覧に戻る
アンナと王様

アンナと王様

ANNA AND THE KING

147

jac********

4.0

思い上がりアンナと聡明な王様

アンナがタイ(シャム)にやって来たのが1862年と最初に紹介される。 日本では生麦事件が起こった年だ。 薩英戦争のきっかけとなったこの事件は江戸帰りの薩摩藩の大名行列を前に して下馬しなかった騎乗のイギリス人達が無礼討ちにあったことが発端。 日本の一大名の行列の前で下馬しなかった非礼の代償が死なのである。 タイの王様に対してアンナが行った無礼な行為や暴言の数々を考えると何故 生きて帰れたのか?不思議に思えてくる。 当時のタイも日本もイギリスから見ればアジアの未開の国だったのかもしれ ないが、決して属国や植民地ではなくれっきとした独立国であった。 この映画は実話に基づいた話らしいが、そうした国の国王に対してのアンナ の言動、特にタイに到着して初めて謁見する際のキレッぷりは真実味が全く 無い。 未開の国とバカにしていたのであれば尚更のこと、国王に対しての不敬罪で 罰せられることを恐れると思うのだが、アンナの舌鋒は鈍ることがない。 映画のストーリーの流れとしての抑揚をつける為の虚飾か、アンナは死にた かったのか、実はアンナは命知らずのバカだったかの3つの内のどれかとし か考えられない。 それぐらい何故かタイに来て、初めっから喧嘩腰だったアンナ。 王の側室の不義裁判の時も妙に強気で、どうしてあんなに強気なのか? 観ている側がとまどうばかり。 一体、自分を何様だと思っているのか? 思い上がり家庭教師。 対する国王は実に聡明で、そんなアンナに対しても寛容なのです。 それは決して文明国イギリスに対する阿諛追従ではない。 アンナに対する異性への慕情が無かったとは言わないが、それは珍しさに対する好奇心のようなものだったのではないかと感じた。 チョウ・ユンファも悪くはないが、写真で見たユル・ブリンナーの王様のかっこよさが頭から離れないので機会があれば『王様と私』を観たいと思った。 決してアンナには同調できないが、この映画を観てタイという国に興味、親近感を持った。それぐらい素晴らしい王様だった。

閲覧数1,218