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4.0点
…あらすじは、解説のとおり。 明治末期。 大徳寺医院の跡取り息子として順風満帆の人生を送っていた大徳寺雪雄(本木雅弘)。 ところが、両親が相次いで急死を遂げ、そして常日頃、何者かの視線を背後に感じていた雪雄は、ある日、自宅の庭で自分と瓜二つの男に襲撃され、古井戸の底に閉じ込められてしまう。 実はその男は、雪雄の双子の兄弟で、生まれてすぐに川辺に捨てられたところを拾われ、貧民窟で育った捨吉(本木雅弘)だった。 捨吉は、雪雄に成り代わって新たな生活を始め…。 で、本木雅弘が一人二役の双生児を演じ、そこに両者の共通の恋人(妻)役でりょうが絡むのだが、全員が眉毛を剃り落としていてなんとも不気味なのだ。 捨吉は、産まれた時に太腿に奇怪な痣があったために川に流されて捨てられてしまい、流れ着いた先は貧民窟で、そこで粗暴に育つのだった。 一方の雪雄は、裕福な医者の息子として育ち、多少潔癖症ながらも今や評判の医者として名を馳せていた。 双生児でありながらも、富と貧、清浄と不浄、善と悪、知性と暴力……等々、あらゆる面で対極にある二人だった。 で、捨吉は雪雄を古井戸の底に閉じ込めて残飯などを放り込むのだが、この時の捨吉の鬼のような憤怒の形相と怒声は凄まじいものがあった。 で、残飯をあさりながら命を繋ぐ清浄な雪雄も不浄の極みに成れ果て、遂には捨吉を凌ぐ悪と暴力が生まれていくのだった。 あらゆる面で対極にあった二人は、やはり双生児が故に同極にあり、言わば鏡の表裏の関係に過ぎなかったのだ。 何を言いたいのか、こんがらがってきたが、ただただ只管に、役者・本木雅弘の演技が凄まじかった。 もう、モックンなんて言っちゃぁ、いかんだろうな……。
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