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ケイゾク/映画 Beautiful Dreamer

xeno_tofu

2.0

ネタバレああ、この失敗を生かせなかったのか…

「SPEC」が本放送時から大好きで、そのシリーズの源流である「ケイゾク」は、ちらちら見ていた程度だったので、今回、一から鑑賞してみた。 テレビシリーズは、素っ頓狂なインテリの警察官僚、柴田純と、影がある無頼の刑事、真山徹のバディーの推理物。「継続」と呼ばれる未解決事件を軸に、「あのー、犯人分かっちゃったんですけど」の決め台詞で柴田が真犯人を解き明かし、開き直ったり、弁明をするような犯人に対し、真山が現実を突き付けて、突き放すという1話完結ストーリーだ。ここら辺は、同じ堤幸彦監督、オフィスクレッシェンド作品として、「TRICK」の原型が感じ取れた。 おそらく、リアルタイムで見ていたら、かなりハマっただろうなと思う。しかも、毎回、じわじわと明らかになる真山と朝倉の因縁が、クライマックスで大きな謎を突き付け、サイコ・サスペンスの様相が前面に出てくる。 で、スペシャルドラマを経て、映画というわけだが、どうして、こうなった。。。 映画は1つの作品として、ストーリーや推理するトリックには「TRICK」を感じさせるし、キャラクターや映像の作り方としては「SPEC」にもつながるので、これらの作品が好きなら、見ても損はないかなと思った。 (過去の事件に因縁ある人が招待されるという構図は、TRICKよりも「金田一少年の事件簿」かも) 中盤まで「厄神島」を舞台にしたクローズドサークルのミステリーとして進行する。これは、仕掛けが大きめだが、テレビの通常回のような雰囲気をまといながら、そんなに悪くはない。だが、ラスト30分がなぁ。 確かに、宿敵「朝倉」が現実的な整合性を持った存在にはなりえなくなってしまっていた。だって、人が操れて、顔を自在に変えられるんだもの。 なのに、ちゃんと中学生をやっていて、確かにいる人物として存在していて、超越的なものにならん限り、収拾できなかったのだろう。 その割に、最後に朝倉が出てくるし。 野々村係長(結局行かないけど)や木戸彩が島に向かおうとする描写から、一応、島が朝倉の潜伏先になっている可能性が示されるけど、唐突でしょう。 しかし、このミステリーを核に置いた映画の流れで朝倉との決着は回収すべき話だったのか。しかも、死者との邂逅を演出するために、柴田はテレビになかった設定で養女に出されたことになっているし。 スペシャルドラマのように、朝倉が黒幕扱いでよかったんじゃないのかなぁ。 鑑賞していて、不思議だったのは、強烈に野々村係長と雅ちゃんのシーンを覚えていること。確かに、SPECでは有村架純の新しい雅ちゃんが出てきて毎回、話が展開するので、それでケイゾクの部分も記憶が強化されたかな笑 ところどころにギャグやパロディーを散りばめながらも、シリアス、ダーティーをうまく取り込んでまとめ上げ、ドラマの新境地を切り開いた作品だ。ケイゾクシリーズとしては☆4・4という感じかな。 エンドロール後のおまけシーンは、SPECではお馴染みみたいな感じだが、ケイゾクの映画に源流があったのね。そういうことを知れただけでも、見てよかったかなと思う。 だが、映画として考えると、最後に破綻しちゃっているよなぁ。大きく広げ過ぎた風呂敷を無理やり畳み込む。これ、SPECでもやっちゃったミスですよ。テレビドラマ、スペシャルは良いのに、映画になると、本当にそのドラマで受けていた本質的な部分をすっ飛ばして、シリーズの中での展開の整合性を付けるために超展開を持ってきて、一作品として失敗する。朝倉をデウス・エクス・マキナにしてはいけなかった。 この反省を生かせなかったかぁ。。。残念、無念。

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