女性を介して結びつく男たち
- 文字読み さん
- 2018年3月8日 23時42分
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1961年。フランソワ・トリュフォー監督。1912年のパリで出会った文学青年のドイツ人ジュールとフランス人ジム。たちまち意気投合した二人は固い友情で結ばれていく。そこにひとりの奔放な女性が現れて二人は強く惹きつけられる。ジュールは彼女と結婚するが、彼女はほかの男たちとの恋をやめられず、ジムとも関係を持ってしまう。ジムと彼女が結婚すれば、せめて彼女と会うことはできると思うジュールだが、、、という話。
ひとりの女をめぐって二人の男の絆が強くなる、男社会の構成原理を描いた三角関係(ついでに戦争を介して独仏の男の絆が強くなる話でもあるが)。女を介してつながる男たちが嫉妬はするものの排除しないこと、つまり、結婚の不可侵性が崩れていることにより、「愛」への問いが深くなる。結婚していてもいなくても、肉体関係をもっていてもいなくても、愛することに関係がないなら、愛とは一体何なのか。子どもをつくることだ、という答えをトリュフォー監督は出しているようにみえる。
わがままで御しがたいように描かれている女性カトリーヌだが、実は男たちがやっていることを模倣しているだけなので、関係の非対称性は明らか。彼女の最後の行動はその非対称性を解消する最後の手段だったのかもしれません。
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