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トップガン

トップガン

TOP GUN

110

sat********

5.0

トップガンとマーベリックの秘話 マーベリックをよりよく観るために。

トップガンとマーベリックは、2つで一作の完結作ととらえています。 この前作が低評価になる方もいるかと思います。感性は人それぞれです。意図的に何でも誹謗中傷をする輩がいる世知辛い世の中ですが、ご自分にあったものを見つけてください。また、映画も史跡も世の中の事象も自分の経験が増え、年齢を重ねて改めて見ると違う感覚を受けるものかと思います。 36年前のこの作品は、時代背景も映像技術、予算もまったく違います。ドッグファイトの人物が分かりづらいのは当然です。撮影機材が違う上に、現在はCGに慣らされ、私たちの見る力は落ちています。テレビのテロップ多用で聴きとる力も落ちています。昔の映画は観る力や考察力が必要です。36年前にタイムスリップしたつもりで観てください。 トップガンは、製作費3倍の興行収入で大ヒットと言われた時代に20倍の収入をあげて、世界中で大ヒットした80年代の名作です。逆に今の時代では作れないエピソードもあります。 今は亡きトニースコット監督(自死)のベースがあるからこそ、製作できました。それがマーベリックのエンドロール、追悼に捧ぐです。 マーベリックは2回目を観ないといけなくなりました。あまりに懐かしく前作のオマージュに見とれました。また、心情的に隣席に度々想いを馳せ、映画に集中できませんでした。 ①敵国を理解し、より楽しみましょう。 前作はロシアではなく、空母の座標から、ミグを持っていたインド軍またはパキスタン軍です。マーベリックは、ロシア(亜寒帯針葉樹)&イラン(✈️)の仮想国。マーベリックは2018年撮影です。後世いつの社会情勢でも観られるように、敵国は特定されていません。観客の想像に委ねられています。 ②ペニーの名を覚えて。 冒頭で艦長からの叱責中に名前だけ出てきた司令官の娘です。バーでチャーリーにも歌ナンパの1回目で炎上したと話をしている。これこそペニーのことです。マーベリックでのペニーの家への誘い方が大人女子です。日本ではシニアの恋愛物は敬遠されがちですが、アメリカではシニア恋愛は自然のことです。また、ペニー出演が不要というコメントを見かけますが、親友グースを失い、劇中キャロル(メグ)、アイスマンも他界。父母を早くに失い、家族をもたないマーヴェリックの心の支えはペニーだけなのです。 還暦トムという言葉をよく見かけます。アメリカでは定年制はなく、60歳が老いているかは、人それぞれです。若い方で、生きるエネルギーを失っている人もいます。それぞれの生き方が一生懸命ならばいいことです。 ③アイスマン 実生活でも喉頭癌で声を失う。マーベリックではAIで声を再現しています。昔、病気で声を失った母親を思い出しました。バッドマン役を経て、マーベリックが遺作になるでしょう。誰しも老いは見せたくないものです。ヴェルキルマーのマーベリックへの出演は彼の生きざまでしょう。トップガンに出ていなければ、今の彼はありえません。 ④ケリー(チャーリー役) ケリーは後年、LGBTを公表。ロマンス映画への出演は減っていきました。また老齢化が早く、残念ながらマーベリックには出演していません。ケリーのタイプは、80年代のアメリカの女性像であり、尚且つ、上官の強さが必要だったため選出されました。ケリーがマーベリックに出られない状況も、またある意味彼女の生きざまです。 日本はアメリカのカルチャーに憧れ、追いつき追い越せと雰囲気の時代を経て、バブルを迎えました。当時は好景気で、欧米に旅行する人も多く文化を吸収する背景がありました。現在は高い配給料を払ってハリウッド映画を上映するより、コラボ商品で利益を出しやすい邦画やアニメに映画産業は流れています。それが洋画の上映が減った一因です。また、世界経済から後退している日本は、10年前まで映画市場が世界2位でしたが、今や中国とは5倍程度の差です。 ⑤バイクに詳しくない方へ。 GPZを覚えていてね。マーベリックのデートバイクはカワサキH2。 前作の時は、カワサキは全面協力はしていないので、社名ロゴはシールで隠され、実際はないカラーリングです。 ⑥マーベリックで観られない蒸気を堪能しておこう。 カタパルト発艦は、蒸気式から電磁式に変わってしまい現在は出ません。発艦シーンの画になる蒸気は、本作でしか堪能できません。 ⑦可変翼F14とグースの死因 第5世代戦闘機になり、ドッグファイトより、アウトレンジ(相手射程距離外からの攻撃)メインが現代の戦法です。見辛いがドッグファイト用の🐱とミグ。冷戦下の攻防です。 ドッグファイト専用のF14は第5世代に接近戦で勝つ要素はあります。 グースの死因は、キャノピー(防風ガラス)の不具合ではありません。2段階脱出。まず、キャノピーに点火し切り離し、間をおいて座席噴射の手順ですが、焦ったグースが早すぎたためです。 ⑧MA1ではなくG1革ジャケット ナイロン製で価格的にもファッションとして流通しやすかったため、登場していないMA1の方が流行。背中の国旗問題はみなさんが知るとおりです。 60年代にマーベリックの父親が、日米台湾の協同活動で巡洋艦ガルベストンの乗組員の服です。日本ファッションがDCから渋カジ、多様アメカジに移行、定着したのもトップガンの影響です。 ⑨マーベリック候補は、マイケルJフォックス、トムハンクスなど有名男優がいました。バックツゥーで活躍したマイケルも、またパーキンソン病と闘っています。そう考えるとトムは、ハリウッド全盛期の最後のスターかもしれません。 本作は15億円の低予算。当時の一流俳優は使えません。ギャラ的にトムが抜擢された一面あり。その後、キャストはみなさん、ハリウッドのトップクラスになりました。 ⑩ブラッカイマー(プロデューサー)の今後 以前からスターブレイザーズ(ハリウッド版ヤマト)の製作を名乗り出ているため、MI8完成後あたりに実現するかもしれません。そうなった場合、日本通のトムが老艦長役につく可能性に期待します。日本人との共演になった場合は、楽しみ倍増です。トップガンよりさらに10年前に社会現象を生み出したヤマト。ブラッカイマーならば、新たなノスタルジーを生み出してくれるかもしれません。今さらヤマトかもしれませんが、今さらトップガンを見事に復活させたのはこの人です。 ⑪時代背景 1986年12月上映開始 ●スペースシャトル爆死7人 ●ハレー彗星が大接近 ●チェルノブイリ原発事故 ●ダイアナ妃来日 ●たけしフライデー襲撃 ●レコ大。中森明菜 DESIRE ●シャンプードレッサー ●写ルンです ●ファミコン、ドラクエ ●新人類、おニャン子、亭主元気で留守がいい。 1987年1月正月映画として大ヒット ●バブル景気始まる。 ●国鉄分割民営化でJR誕生 ●石原裕次郎が死去 ●マイケルジャクソン来日 ●大韓航空機爆破事件 ●レコ大。近藤真彦 愚か者 ●携帯電話NTT販売開始 ●さんまの男女7人秋物語 ●玩具 トランスフォーマー ●マルサ、朝シャン、ゴクミ、第2電電。 80年代はハリウッドと共に日本の最盛期です。映画本来の醍醐味やネットでの誹謗中傷がない時代のヒット作の続編にみなさん夢を取り戻せるのでしょう。 ⑫トップガンとマーベリックの相乗効果 マーベリックの鑑賞は親子。上司と部下。それぞれの生きてきた時代を知れ、会話の話題となる潤滑油の役目を果たしていますね。時を繋ぐ映画です。 マーベリック堪能のコツ。 ドキュメント映画ではありません。正論的な軍事視点で観たら楽しめません。エンタメとして観てください。 前作が好きな方は、相乗効果でより楽しく。前作が苦手な方は相反効果でマーベリックは、どちらにしても楽しく観ることができます。映画はやはり大画面、上質音響、観客のみなさんと同じ空間で泣き笑い、感動を共有する雰囲気に尽きます。 ちなみに映画好きな方は、スターウォーズ(ep4とフォース)とMIの要素を取り入れていることに気づくはずです。ハリウッドのいいとこ取りですからヒットしないわけがない。周知のようにハリウッドは、あらゆるネタを出し尽くしてしまい、今は過去作の活用時期です。マーベリックはハリウッドの集大成でもあります。 B世代(ベビーブーム世代。1945年~1960年代中期)やX世代がトップガンを観て、36年間に想いを馳せると同じで、今のZ世代も先々、マーベリックを一緒に観た方とのノスタルジーを感じるかと思います。 シニアの方々が、自然と涙するのは、自分の36年間の人生と重なるからです。 恋愛、就職、結婚して出産。反抗期の子育てを乗り越え大人になる。定年、親は寿命を迎え、身内、友人、知人は病気や他界。大切な方との離別、死別。トムもがんばったけど、みなさん一人ひとりも自分ががんばったから、感慨深さが同調されるからだと思います。 そして、映画は誰と観たかの想い出も含まれます。その時に、どんな世の中で、誰と観て、自分がどんな生き方をしていたか。 みなさんが、今回、一緒にマーベリックを観られる方との今後の人生に幸あることを願っています。手を伸ばせば、そこに信頼できる人がいる。すばらしいことですね。今を大切にされてください。 個人的には、この旧作を一緒に観た。高校時代にカワサキバイクで旅行に行った妻は、トニースコットの世界に先にいってしまいました。36年の時を超え、心から一緒に観たかったです。いずれあっちでトップガンについて語り合います。 マーベリック鑑賞で隣の空席を偲び、想いを捧げ、劇場をあとしました。

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