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サイダーハウス・ルール (1999)

THE CIDER HOUSE RULES

監督
ラッセ・ハルストレム
  • みたいムービー 385
  • みたログ 2,891

3.95 / 評価:614件

誰かが幸せになれるのなら

  • hid***** さん
  • 2010年8月1日 22時31分
  • 閲覧数 642
  • 役立ち度 12
    • 総合評価
    • ★★★★★

ご無沙汰しております(^_^.)
1年半ぶりのレビューです。

久しぶりに良作を見た思いです。事前に何の知識もなく
見たのですが、序盤はこの映画は何を描こうとしているのか
わかりませんでした。しかし、最後まで見て序盤の様々な
伏線が大きく意味を持って感じられました。

一人の青年の成長を描いている。それはその通りなの
ですが、ここではその成長の中味について触れておきたい
と思います。

ホーマーは院長先生とあることで異なる考えを持って
います。それは堕胎。院長先生は望まれない妊娠に
堕胎を引き受けています。孤児たちはまだ幸運な方で、
生まれることができない、堕胎された胎児たちは、
焼却炉で燃やされてしまいます。ホーマーは堕胎を
助けるべきではなく、そうなる前に大人たちが自分を
律するべきだと考えているようです。

孤児院を飛び出したホーマーは、様々な経験を積みます。
親友の恋人との情事。父親に妊娠させられる娘。彼は
その後、ある答えを得て行動します。親友の恋人は
寂しがり屋で、ホーマーとの恋愛なしには、彼氏を待てな
かった。娘を妊娠させた父親を責めた所で、お腹の子供が
消えるわけではない。。人間にはいろいろな事情がある
んだということを学びます。

彼はあれほど否定していた、堕胎を行う決意をします。
サイダーハウスに貼ってあったくだらない規則。それを
焼却炉にくべたホーマーは、自分の中にあるモラルを
少しの間封印することを決めたのです。誰しも自分なりの
ルールを持って生きています。これは許せる…これは
許せない…でもそのルールをちょっと変えるだけで、
幸せになれる人がいる。人の不幸を少し和らげることが
できるのではないか。目の前にいる不幸な人を救う
ことができるのではないか。

娘の父親は、誤解から娘に刺されてしまいます。自業自得
でしょう。父親は、最期に父親らしい発言をします。
「娘が出て行ったショックで俺が自分で刺したんだ。」
娘は誤解とはいえ、この時点で殺人者です。でもその責任は
父親である自分にある。娘を犯罪者にするわけにはいかない。
この場にいる人が、ちょっとウソをつけば、彼の娘は幸せに
なれるかもしれない…。

ホーマーはもちろんこれを受け入れます。

それまでにも院長が、亡くなった孤児を「彼はもらわれて
いった。彼は家族を手に入れたんだ」とウソをつくシーンが
あります。その方が、孤児たちが少し幸せになれるからです。
言ってみれば、その行動が正義か悪かで見るのではなく、
行動の結果で「誰かが幸せになれんじゃないか?」という
価値観で物事を見ているのです。

この映画のメッセージにとても共感しています。
最近こうした融通のきかない人が増えたような気がします。
不正や犯罪の背後には、様々な事情が隠れています。
もちろん犯罪を奨励するつもりはありません。でも、
院長やホーマーのように、状況を見極め、少しでも人々が
幸せになれるような結論を出したい。そんな大きな人間に
なれたら最高だと思います。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 勇敢
  • 知的
  • 切ない
  • かっこいい
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