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サイダーハウス・ルール (1999)

THE CIDER HOUSE RULES

監督
ラッセ・ハルストレム
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3.93 / 評価:654件

規則を破るということ

  • melrose1004 さん
  • 2008年11月10日 17時29分
  • 閲覧数 824
  • 役立ち度 24
    • 総合評価
    • ★★★★★

法律、規則、ルール・・・。
およそ決まりごとというものは、守られるためにこそ作られる。
規則を破るということは、およそゆるされないことなのだろうか・・・。

妊娠中絶のゆるされない時代、堕胎行為はまさしく違法である。
夫の出征中に他の男性と関係を持つということ、これを不倫という。
娘と関係をもつこと、これも一般道徳上ゆるされてはいない。
自分を刺した娘をかばい、自殺と見せかけようとした父。形式上は犯人隠避罪にあたる。

ラーチ先生はこう教える。
「違法な行為であっても、人の役に立てるのであれば、それでよい」

「規則を破るということ」を「人の役に立つということ」が上回るときには、それは正当化されてよい、というのだ。
裏を返せば、役に立たない規則は破られてよい、ということ。
しかし、若きホーマーには、まだその言葉の意味がわからない・・・。

舞台は1943年のとある孤児院。
望まれずに生まれてきた子供を引き取り、時期が早ければ中絶も請け負う。
ここで育ち、資格はないが今や立派な「産婦人科医師」となっていたホーマーは、中絶堕胎という「違法行為」の場を旅立ち、新天地であるりんご園に職を得た。
ラーチ先生は、「人の役に立て」と彼を見送った。


「サイダーハウス・ルール」
それは、りんご園の労働者宿舎の壁に貼られた行動規則。
文字を読めない労働者たちにとって、何を伝えることもない無価値なもの。
縛られるべき労働者以外の者が作った規則に、何の意味もない。
つまり、役に立たない規則。

人妻キャンディに恋をし、黒人労働者たちとともに働き、ローズの中絶に手を貸し、彼女の父の死を看取ったホーマーは、そんな規則は燃やしてよいのだということを学んだ。
そして、ラーチ先生に教え込まれた中絶術が、「人の役に立つ」ということを知った。

ホーマーが育ったあの孤児院。
恩師ラーチ先生は、もういない。
けれど、ホーマーにとっての帰るべき場所は、確かにそこにあった。

☆☆☆☆

ラーチ先生役のマイケル・ケイン―――『ウォルター少年と夏の休日』に出てくるガースじいさんでした。いい役者さんですね。
中絶以外にも、卒業証書を偽造したり、ホーマーにレントゲン写真を持たせたり、いろいろ「違法」なことをやってくれます(レントゲン写真が何故違法なのかは映画の中で)。

この人の出番は、孤児院の場面しかないにもかかわらず、その存在感は見事です。
きっと、ホーマーがりんご園で働いている場面でも、彼がホーマーの人格形成に多大なる影響を与えているのだということを、観ている私たちに刷り込むインパクトを持っているからなんだろうと思います。
『ウォルター少年~』でも感じましたが、安心感があるんですよね、この人には。

この作品でのアカデミー助演男優賞も納得でした。

詳細評価

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