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ヴァージン・スーサイズ

ヴァージン・スーサイズ

THE VIRGIN SUICIDES

98

da5********

4.0

悲惨実話「鉄の爪ファミリー」が元ネタ

「鉄の爪」として一世を風靡したアメリカの名プロレスラー兼プロモーター、そして実業家としても成功したフリッツ・フォン・エリックには、息子ばかり六人もいた。そのうちの長男ジャックは、子供時代に高圧線に触れて感電死。悲嘆したがフリッツ親父は、次男以下全員をプロレスラーにして彼自身が現役時代に届かなかった世界最高峰NWA王座に就かせようと決め、幼少期から息子たちに激しいトレーニングを強いた。日常的に筋肉増強剤まで服用させた。 次男ケビンを皮切りに、兄弟は次々とデビューし、順調に人気者に。 だが! 最も期待されていた三男ダビッドが内臓疾患で25才で急死(1984年)すると、五男マイクが23才で服毒自殺(87年)、六男クリスは21才で拳銃自殺(91年)、人気一番の四男ケリーも念願のNWA世界王者に短期間なったもののバイク事故で片足首を切断し、コカイン中毒や脱税や離婚などで追い詰められて33才で拳銃自殺(93年)。皆、親に強いられた人生苦と、筋肉増強剤常用に起因する薬物依存で破滅していったようだ。 生き残ったのは、あまり才能のなかった次男ケビンのみ。非のある親父はすっかり気落ちし、離婚し、68才そこそこでひっそり死んだ。 兄弟の連鎖死のうちで最も世間を騒がせたケリー自殺事件と同じ93年に、この映画「バージンスーサイズ」の原作がジェフリー・ユージェニデスによって書き上げられた。 変な親(年子で五人産むなよ)に育てられたリスボン五姉妹、およびエリック兄弟五人の、せめてもの冥福をみんなで祈ろう…………。

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