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また逢う日まで (1950)

監督
今井正
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3.50 / 評価:16件

キネ旬審査員全員が満点をつけた感動の名作

  • Kurosawapapa さん
  • 2012年7月18日 7時09分
  • 閲覧数 1485
  • 役立ち度 12
    • 総合評価
    • ★★★★★

この映画は、1950年キネマ旬報第一位、毎日映画賞・日本映画大賞、ブルーリボン賞・作品賞と、タイトルを独占した今井正監督作品。
特にキネマ旬報においては、審査員全員が百点満点をつけた名作です。

ロマン・ロランによる「ピエールとリュース」の翻案として水木洋子が脚色、
デビット・リーンの「逢びき」を模して、主人公役、岡田英次のナレーションを内面の声として多用しています。

封切り日に間に合わせるため、水木洋子は旅館に缶詰めになり、この脚本を完成させたそう。

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空襲下の地下壕で知り合った三郎(岡田英次)と螢子(久我美子)。
冷厳な父親を持つ三郎は学生で、螢子は母(杉村春子)と二人暮らしの貧しい画家の卵。
周囲が戦争一色になっていく中で、必死に自分たちの幸せを守ろうとする二人。
だがついに三郎にも召集令状が届きます。
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青春の光を輝かせるには、あまりに過酷な戦争の時代。
それゆえ、三郎(岡田栄次)と螢子(久我美子)の清純な愛が胸を打ちます。

話題になった岡田英次と久我美子のガラス越しのキスシーンは、実に美しい。
(日本の映画界では1960年代のはじめ頃まで接吻のクローズアップはタブーだった)

戦争が激化する中、一緒になると相手を不幸にするかもしれない、、、
ガラスを1枚挟んだことに意味がある名シーン。

あの悲劇的な時代に、実際、これほどロマンチックな恋愛ができたのでしょうか、、、

どこか夢のようで、 物哀しく、 叙情的で、
暗闇の中の一瞬の灯火は、何物にも代え難い輝きを放っています。



国家主義の厳格な体制の中、
学生達が詩を読み、音楽を奏で、知識人の内面を論じるのは、
必死に “自由の羽” を伸ばそうとしているように見えます。

そんな彼らを、暗闇が覆い尽くしていく。

血を流すことを強いられる戦争。
戦いが近づき、戦いの中に身を置く者ほど、
苛立ちを高め、敵意に満ち、心の余裕を失っていく。

・戦争の異常
・小さな幸せ
両者が相対的に際立っていく。


出征までの限られた時間の中、
こんな家庭を作りたいと、二人が夢見るように語るシーンが印象的。

女性脚本家ならではのストーリーに心打たれるとともに、
戦争の無い世界が、どれだけ幸せなのかを実感します。


・冬枯れの公園、満足に商品も無いショーウィンドウ、太平洋戦争末期の荒涼たる写実
・司法官の父、職業軍人の兄という厳しい家庭環境にある三郎の孤独
・自分の手から離れていく娘(久我美子)の幸せを願う母(杉村春子)の愛

本作のどこを切り取っても、今井流のリアリズムによって隙無く構築。

二人に迫る過酷な運命。
最後は、思わず心が震えます。

抑えられないほどの感動が湧き上がってくる名作です!
( IMAI:No2/18 )

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 悲しい
  • ロマンチック
  • 恐怖
  • 切ない
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