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窓から飛び出せ

bakeneko

5.0

ネタバレアンゴラうさぎは当時飼育ブーム!

戦後5年を経た日本で自給自足的な牧畜を展開している一家と、その隣人の亡夫の遺産で食い繋いでいる旧軍人一家を比較することで、戦後の自由になった社会の解放感と自然に則して生きる人間本来の姿を生き生きと描いた“理想ホームドラマ”の野心作であります。 「出来ごころ」、「母を恋はずや」(監督:小津安二郎)や「隣の八重ちゃん」(監督:島津保次郎)などの名作に多数出演した戦前の名優:大日方傳の初製作作品で、原作も担当している他に、主演&子供たちの出演&自宅もロケ地として提供…と大奉仕しています。 一方で、監督の島耕二もお得意の動物(もちろん猫も♡)&結婚したばかりの夫人:轟夕起子(歌も唄います♡)を生き生きと演出していて、欧米のファームミュージカルの翻案の様な愉しい雰囲気を感じさせます。 ややディフォルメした風刺性と単純な価値観が目に付きますが、戦後の理想に溢れた世相を反映した作品で、「チキチキバンバン」のようなプチアイディアに溢れた農家発明品は面白く、本作がデビューとなった香川京子(18歳)は可愛らしいですし、小林圭樹(26歳)も若い!、そして戦前からのコメディスター:杉狂児や藤原釜足も友情出演していますよ! ねたばれ? 1、アンゴラうさぎは、昭和初期には日本が飼育頭数:約100万頭が世界一でした。そして戦時中は“軍兎”と称され、毛皮は航空兵の防寒素材(零戦のパイロットの暖かそうな帽子はアンゴラの毛だったんだ!)として、肉は食用として重宝されます。更に戦後の混乱期では連合国からの輸入食糧の見返り物資として,GHQからアンゴラ兎毛と兎毛皮が指定を受けた為に当時の貴重な外貨を獲得物資となっています。 2、本作品は玉川学園と農林省(現・農水省)が協力しています。 3、青酸カリによる帝銀次件は1948年ですから本作でのブラックジョークは生々しい笑いを生んだと思われます。 4、あの距離ならば器械を使わなくても自分で郵便物を運んでもあまり変わらないのでは?

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