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暁の追跡 (1950)

監督
市川崑
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3.82 / 評価:11件

一級の歴史資料

  • najarake さん
  • 2021年4月25日 16時04分
  • 閲覧数 85
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

太平洋戦争敗戦後5年に創られた、新藤兼人脚本+市川崑監督という稀有な作品。政策を警視庁がバックアップするという、今は考えられない制作陣。どこをとっても驚きの一作。

新橋辺りが舞台になっていて、まだ空襲で焼け野原になった痕跡、その焼け野原に立ち並ぶバラックのような家々。異様にでかくごつく頑丈そうな自家用車。舗装もされてなかった新橋駅前の水たまりを走る自転車そしてどこへ急ぐか人々。精一杯のおしゃれのチリチリのパーマネント。エアコンもない扇風機などまだ少ない、汗みどろで生きる人々。
「ああ、こうだったんだ」といく敗ら今、きれいに取り直す戦中ドラマにはない、敗戦後のリアルが次から次へと展開され、ドラマの展開などすっかり忘れ、飛び出す映像に息をのむ。
さすが新藤兼人と市川崑は、頻発した労働争議を起こす労働者と企業経営者、そしてそこでひと稼ぎする働き場所のない帰還兵のヤクザ、その騒動を鎮圧する警察の四者の関係を一目でわかるように描いて見せさえします。す、すごい。
事件はこれらの映像を見せるため、大団円をつくって映画を終わらせるための素材に過ぎないと思える割り切り。
公権力に制作協力させながら、時代の記録を撮ろうとしたのではないか・・・そうさえ思える街中をロケするカメラワーク。

古い作品で音声がかなり悪いのが難点で、なにを会話しているのかわからないシーンもありますが、そんなものはどうでもいいくらい、敗戦直後が臭いたつ強烈な作品でした。

いやあすごい。絶対御覧なさい。
敗戦の国家破綻から国を再興してきた多くの人々の末裔として今を生きる私たちが、コロナなんぞに負けてたまるかというエネルギーを貰えることでしょう。
NHKよ、音声を含めデジタル修復リマスターして今こそ放送してくださいな。

で、警官を移送するトラックのフロントデザインが、新型ホンダベゼルに酷似している、などと思っているのは、私だけ?

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