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雪夫人絵図 (1950)

監督
溝口健二
  • みたいムービー 2
  • みたログ 38

3.31 / 評価:16件

メロドラマ

  • cpd******** さん
  • 2009年1月20日 15時07分
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

女性を描くことにおいては右に出る者がいない溝口健二。しかし、その作品の出来、不出来の波がこれ程激しい監督も珍しいのではないだろうか。

彼の作品を全て観た訳ではないが、「祇園の姉妹」「赤線地帯」は素晴らしかったし、このレビューでも満点をつけさせていただいたと思う。しかし、本作「雪夫人絵図」はそれらの作品とは本質的に異なっているように思えてならない。

確かに俳優陣の演技は誰をとっても安定していて、ほころびは見あたらない。信濃雪を演じた木暮美千代は魅力的で妖艶な美しさを醸し出していたし、その夫・直之(柳永二郎)や菊中(上原謙)、綾子(浜田百合子)も良かった。特に立岡役の山村総は一際印象深かったように思う。

「祇園の姉妹」では主人公の特殊な職業設定から、やや一歩引いた視点で身勝手な男を描き、その男達も一方通行で彼女らの人生を通り過ぎてゆくに過ぎなかったが、ここではしたい放題の夫に愛想を尽かしながらも、女の性がそれを寛容してしまうという、男に添い遂げる女としての葛藤を上手に描いている。そして夫は、妻がいなくなって初めてその存在の尊さやありがたさに気づかされるのである。

ラスト、雪夫人が芦ノ湖を彷徨するシーンは印象深く、うっすらと霧で霞む湖畔をやや引いたショットで収め、得も言われぬしっとりとした感性で詩情豊かに表現しているのは流石だと言える。

結局夫は、立岡らの策略にはめられ、旅館を騙し取られる筋書きに「勧善懲悪」のドラマトゥルギーが伺え、女の妖艶さや濡れ場シーンの挿入などから、単なる「メロドラマ」としてカテゴライズされても異論は差し挟めないだろう。

このシナリオを、一頃流行った連続ものの昼ドラに転換しても面白かったんじゃないか・・・という印象を持つにとどまったのが僕の正直な感想である。

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