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刺青 (1966)

監督
増村保造
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3.89 / 評価:37件

「刺青映画」の雄

  • 諸星大五郎 さん
  • 2008年10月16日 4時08分
  • 役立ち度 24
    • 総合評価
    • ★★★★★

 いわゆる「刺青映画」というジャンルがあるわけだが、本作「刺青映画」の王、高林陽一監督の「雪華葬刺し」に並びますでしょう。
何を撮っても、増村監督、凄いお人。谷崎作品の映画化。
 
 江戸時代。質屋のお嬢さんと駆け落ちする奉公人。かくまってもらった先で、お嬢さんは拉致され、置き屋に売られてしまう。逃げぬようにと彫られたのが「女郎蜘蛛」
彫ったのは江戸一流の彫物師。この蜘蛛、彫物師一世一代の入魂の出来。

 女郎蜘蛛の祟りなのか、お嬢さん、男どもを食い殺すように生きていくという、ハイアグレッシブな物語。

 増村作品起用の女優、数々あれど、本作のお嬢さん役の若尾文子!

これは凄いわ。妖艶というか、壮絶というか。
本作、ほぼ全編、若尾さんひとりが支えて、見ごたえあり。

 蜘蛛を背負った背中のアップのシーンなどは、いわゆる他の女優さんの背中を使った「ふきかえ」という奴でしょうが、男を食い尽くす覚悟を決めた芸者姿など、ゾゾゾっとする美しさ。これぞまさしく「蜘蛛女」 
このまま妖怪になったら、ロードオブザリングの大蜘蛛「お婆」に化けるんじゃなかろうか。

 美しい顔で、スプラッターなことをして平気。
「だって、この男のせいで、あたしはこんな目にあったんだ。殺されてあたりまえだ。あーいい気味」 平然とのたまう。

 江戸風情の奇談モノなのに、日本的な情緒は一切排除し、ハードボイルドなピカレスクロマンに仕上げてしまう増村監督。
導入部から説明的台詞をビシバシ入れて、怒涛のように話を進める強引さ。
鬼才、天才。
今の邦画界にこそ、こういうふっきれた映画を撮る人材が必要なのに、1986年に他界された。

まったくもって残念至極。

ラストシーンは、タランティーノ「レザボアドックス」の三つ巴戦のラストを凌駕。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 不気味
  • 恐怖
  • セクシー
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