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飛べ!フェニックス (1965)

THE FLIGHT OF THE PHOENIX

監督
ロバート・アルドリッチ
  • みたいムービー 25
  • みたログ 187

4.03 / 評価:58件

飛べ!フェニックス

  • bar***** さん
  • 2018年7月6日 10時49分
  • 閲覧数 279
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

飛べ!フェニックス。やっぱりロバート・アルドリッチ監督の作品はどれも独特の味があって面白い。

アルドリッチ監督は極限状態を描く。その中で浮かび上がってくる人間の尊厳、美しさ、力強さがとにかく魅力的。
一方、この映画には女性が登場しない。女性は監督の描きたいテーマとは相容れないからだろうと思う。女性は場面を彩る存在だから。しかしこの映画はできるだけ過酷な状況を描こうとしていて、その中での人間の美しさ、生きようという意志を表現しようとしている。女性のいる必然性がないのだ。

そういった無駄の無さはこの監督の大きな特徴の一つだと思う。構成に対する理解があり、必然性において映画を作ろうと心がけている。虚飾を排し、現実的な目線でいったい映画というものが作れるのかどうかチャレンジしている。この潔さ、職人のようなスタイルは他の映画ではほとんど見られない。

この映画はやや登場人物が多い。それゆえ場が混乱しやすいのだが、それをうまく抑えているように思う。「極限状態における狂気や混乱・弱気や恐れ」、そして「お互いに力を合わせること」という2つの要素をうまく使いこなして、この映画に調和を与えようと努力している。そういった監督の志向性が、この映画にスッキリとした味わいを与えており、それゆえ無駄な場面が存在しないし、余計なセリフも混在していない。

結局何を言いたかったのか? アルドリッチ監督は明確なテーマを残さない。見ている人間の解釈によって異なった味わいがあるということなのかもしれないが、私は視聴者も常に試されているのだと思う。注意を払えば拾える文学的なテーマがあり、それを自分の努力で味わえることが、アルドリッチ監督作品の一つの味わいなのだと思う。極限状態で何ができるのか。狂わずに、また狂いながらも、自分の信じたことを行い、生き延びるための選択をし続けることができるのかどうか。死んでいったキャラクターの中には運が悪かった人間もいれば、ただ勇敢すぎた人間もいる。生き残った人間の中には、泥臭く生き延びた人間もいるだろうと思う。

しかし本当に大切なことは、人間の知恵。あきらめない生への意地。極限状態で狂気に侵されながらも、どこか冷静で人間らしさを保ち、わずかな可能性に賭けて励み続けるたくましさ。その美しさこそが、この映画の醍醐味なのだろうと私は思う。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 勇敢
  • 知的
  • 切ない
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