ここから本文です

氷点 (1966)

監督
山本薩夫
  • みたいムービー 12
  • みたログ 133

4.11 / 評価:44件

人は皆、生まれながらにして罪人であるか?

  • ねじまき鳥 さん
  • 2010年12月31日 1時16分
  • 閲覧数 930
  • 役立ち度 6
    • 総合評価
    • ★★★★★

「原罪」を問うシリアスストーリー。

ある日突然加害者の家族になる、というストーリーは最近ありましたが、
こちらはさらに遡る。

生まれながらにして殺人犯の父を持ちながらその事を全く知らずに育った少
女・陽子が、ある日突然犯罪者の血が流れているんだ、と知らされて自殺未
遂をするお話。

陽子は、幼い娘を殺害され、悲しむ妻を慰めるためのもらい子。
夫は、妻の浮気のせいで娘を失ったことへの復讐として、よりによって密か
に娘の殺害犯の子供を育てさせるという罰を与える。

母親の愛情を一身に受ける陽子。
やがて真実を知った母親が父親への怒りから反動で隠れて陰湿にいじめても、
もらい子だと知っても、家族想いな優しい子に育っていく。


その健気さは本当にいじましく、屈託のなさは時に鋭すぎると感じられるほど。


また母親役の若尾文子さんが良いのです。
美しく、陰険。

息子の友達、陽子の恋人候補(津川雅彦、わっか~!!!)に堂々と横恋慕する
様子は女の怖さそのもの。

挙げ句の果てに嫉妬に狂い、最も嫌らしい形で陽子の生い立ちをばらす。

犯罪とは無縁に誰もがうらやむ「良いお嬢さん」であった陽子。
自ら潔白をよしとしていた陽子。
どんなにいじめられても両親への感謝を忘れなかった陽子。


そんな彼女を持ってしても、彼女だからこそ、生まれながらにして殺人犯とい
う負い目を背負いきれなかった。


さらに、この作品には実は陽子は殺人犯の娘ではなかったというオチまでつい
てきます。


原罪とは何か?


答えのない救いもない話ですが、メロメロになりすぎず、ずっしりした余韻を
残す重厚なヒューマンものでした。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • 不気味
  • 勇敢
  • 絶望的
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ