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沓掛時次郎 遊侠一匹 (1966)

監督
加藤泰
  • みたいムービー 6
  • みたログ 72

4.32 / 評価:37件

一宿一飯の義理を重んじた宿命

  • kor******** さん
  • 2014年5月12日 18時24分
  • 役立ち度 2
    • 総合評価
    • ★★★★★

原作は時代劇小説に“股旅物”というジャンルを築き上げた長谷川神。中山道を歩いていく展開はテレビ東京の旅番組でよく目にする形ですが、一宿一飯の義理で人を斬ってくれないか、と頼まれはしません。せめて蛭子さんが軽い毒を吐くらいです。銀幕スター中村錦之助が鴻巣、高崎、熊谷など個人的に馴染み深いマニアックな土地土地を辿ってくれますが、ダルマくらいしか大した名産物がないのが残念でもあるのです(今も)

しかし、一番驚いたのは冒頭から慣れた口調で口上をしゃべりだし、如何にも主演を喰ってやろうと意気込む渥美清の見事なまでのかませ犬っぷりです。目立ってしまったお咎めというわけではないのですが、なかなかの惨殺ぶりで序盤で死んでしまいます。加藤泰監督の美学の一つでもあるローアングルのショットの他にも、血が梨汁のようにブシャーと飛び散る鮮血さが妙に映えているのが印象に残り、雪の上に赤々として血を吐く辺り残虐さの見せ方も非常に凝っておりました。

「小林旭」に顔も声も似ているな~と、見慣れない中村錦之助を眺めていると、ヤクザとしてしか生きられない悲壮感が全面に出ており、観ている側にも無常観が襲ってきます。いくら強かろうと他人は守れない「やるせなさ」が十分に表現されており、思わず息を飲んでしまう殺陣は時代劇から実録ヤクザ路線へと時代が傾き始めた中での時代劇スターとしての「最後の意地」とも捉えられるのでした。

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