モノクロムード
- kin***** さん
- 2019年11月26日 10時35分
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- 総合評価
明治30年の洲崎遊郭が舞台。当時の郭の実態は、ここまで女たちを、それこそ「骨までしゃぶって」いたのか。この題名かなり下品だけど、映画の内容をストレートに表している。ちょっと喜劇タッチを交え、遊郭の内情をこれでもかとえげつなく描いていて、加藤泰の格調漂う演出でなかったら、見るのがしんどい映画になっていたと思う。
遊郭の建物を再現したセットが見事。また桜町弘子は後年のヤクザの姉さんぶりがイメージに強いので、こんな清廉なところもある役は意外で、良かった。
時代考証がどこまで正確なのか、分からないけれど、警察に逃げ込むことが出来たら自由廃業できる、というのが、どうもご都合の印象。まあ、このへんは作らないと映画にならないだろうが。
夏八木勲がまだ新人のときらしいが、実にいい味を出している。ラストの救いは取って付けた感もあるが、それなりのカタルシスを生んでいる。
映画黄金期の名残を十分残す佳作です。
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イメージワード
- 悲しい
- 絶望的
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