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博徒七人

oja********

5.0

ネタバレ楽しすぎる!

いやいやどうして観てトクした気分。楽しすぎる! 世に「七人モノ」は数あれど、この七人、キャラが立ちすぎて、なぜ続編が作られなかったのか不思議です。(と、思ったら同じ年に同じスタッフで「お尋ね者七人」というのがありました。見たい!!!) もう出る人出る人、ひねった役作りで楽しい! 鶴田浩二は、パキパキの江戸っ子でフットワーク軽く(武器は匕首・隻眼)、 藤山寛美は伊達男を気取って(笑えるけど)飯盛り女と恋を語り(ピストル・片腕)、 待田京介は異常に勘の鋭い男(札束を置いた音だけで金額がわかる! わかるか!)をコミカルに演じ切り(吹き針・両目が見えない)、 山本燐一は心優しい力持ちとなって待田におんぶされ(怪力坊主・片足)、 大木実は頭の鈍い暴れ者となって一般人の家をダイナマイトで吹っ飛ばし(サーベル・顔にケロイド状の傷)、 喋ってナンボの山城新吾は一言も喋らず(分銅鎖をぶん回す・聾唖)、 小松方正は忍者のように身軽に飛び上がり(くさびを投げて突き刺す・ひどい猫背)、 遠藤辰雄ははじめは彼と分からないくらい気弱でやさしい貧乏人を見事にこなす(いつかブチ切れて戦うと思ってた。「三代目襲名」といい小沢監督との相性は抜群)。 さらに西村晃はアル中の医者で、 桜町弘子まで手裏剣のように花札を飛ばして敵を討ってしまうのだ! いつもどおりなのは金子信雄だけ! 片腕だ片足だとなんとも偏った設定ばかりの割には、そのことで悪口を言われることもなく、敵がそこを弱点としてネチネチ責めるということもなく、おかげで少しも嫌な気分にならずに、この娯楽作品にのめりこめます。 日本映画黄金時代に大活躍した面々は、さすがに本数こなしていることも手伝ってか、どいつもこいつもうまい! 芸達者! はじめは全員がいつものキャラと少しちがっているので違和感をおぼえたりもしますが、すぐに慣れます。 できれば最後、七人横並びでワイルドバンチ(またはキュートン)みたいにしてくれたら、幸せすぎて脳が破裂してしまったかもしれないけど、それは多くを望み過ぎか。 ああ、このスタッフ、キャストだったら、金庸の小説を片っ端から映画化できただろうなあ。

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