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さよならS

さよならS

LE PETIT VOLEUR

63

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2.0

まさか是ほど青いとは

 その日も返却がてら、いつも行くレンタルビデオ屋に立ち寄り 店内をブラブラ。  そうして歓楽街のネオン宜しくずらりと並んだDVDのパッケージを 眺めていると、本作に目が留まりました。  パッケージのコピーが私に「これは【青い】映画ですよ」 と訴えていたこの作品。それがなんとなく気になり、 結局借りる事に決めました。  おおよそこんな作品だろうか、と予想を抱きながら観始めると、 どうやらドラマチックな展開ではないらしい。  「あぁ成る程、こういうタッチね」 と、身構えた姿勢を修正して見続けるものの、 淡々と垢抜けない物語が続きます。    結局ずっと現実感の中を漂った物語は、ドキュメンタリーと また違う生々しさを残して終了しました。  けれど、それを言葉にせよと言われれば 「う~ん・・・」 と呻った後はなかなか二の句が継げません。  砕いて言えば中途半端、違う言い方ならば平凡、 とでも言えば良いのでしょうか。  小さな小さな物語という印象です。  一人の少年の成長を描く事に失敗しているとは思いませんが そこに作品のサイズ以上の感動はありません。  もう少し見せ方に貪欲な工夫があれば、シンプルなプロットだけに もっと化けた様な気はするものの、それが傑作とまでなるかと言うと それもちょっと考え辛い気がします。    もしかしたら、「自分は特別」だと信じていたのは 少年エスよりも寧ろ本作自身だったのかもしれません。  それほど【青い】映画でした。

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