レビュー一覧に戻る
パトリオット

パトリオット

THE PATRIOT

164

bbk********

4.0

美と残酷の一大スペクタクル!

 「パトリオット」。この作品を劇場公開時に観たときは、燃えた燃えた。 最高に面白かった。当時この映画はNewsweek日本版などでけちょんけちょんに 叩かれていた。「この映画は過去のあらゆる映画の寄せ集めだ。例えば主人公の 持っているトマホークは『ラスト・オブ・モヒカン』からの引用で・・・」 とかいろいろ言われていた。 大きなお世話だ。 例えこの「パトリオット」がいろんな映画の寄せ集めだったと しても、大好きな作品であることには変わりがないんだ。 「ラスト・オブ・モヒカン」も観たよ。大好きだよ。 でもこの作品もすばらしい芸術的な作品であることには 変わりがないんだ。 この映画は冒頭から、度肝を抜く映像から始まる。 アメリカ・サウスキャロライナの美しい18世紀の田園風景、森林の中に 建つ家々、美しい朝焼けに照らし出される主人公ベンジャミンの家の中、 自然光で撮られたあまりにも美しい映像の数々に息を飲む。 撮影はアカデミー賞ノミネート経験者のカレブ・デシャネル。 彼は過去のメルギブ主演作の中でもっとも美しくメルギブを撮った男だ。 こんなに美しい映像はめったに見られない。 そして音楽は「スター・ウォーズ」のジョン・ウイリアムズ。 美しくノスタルジーを感じる「古き良き時代」を音楽で表現する。 この映画は、聴覚と視覚の両面で観客を18世紀のアメリカという 異世界を魅力的に再現する。 ・・・ステキ。 しかしストーリーが残虐そのもの。それもそのはず、脚本を書いたのは あの残酷スプラッタ戦争映画「プライベート・ライアン」のロバート・ロダット。 出るわ出るわ、残酷映像! 砲弾に吹き飛ばされる大陸軍の兵士のドダマ! 砲弾は爆弾と違って、着弾しても爆発はせず、ボーリング球のように 転がりながら、兵士の頭や足を吹き飛ばすのだ!! そして子どもを殺されたメルギブが、逃げ惑うイギリス兵をトマホークで バラバラに切り刻む!返り血を浴びて、全身血みどろのメルギブ。 はっきりいって、ジェイソンやフレディよりも怖い!! 監督はあの「インデペンデンス・デイ」のローランド・エメリッヒ。 タコの化け物のようなエイリアンがはるか宇宙のかなたからやってきて 地球人たちにヤキを入れに来るお話を作った人だ。 本作は「インデペンデンス・デイ」の独立戦争版と言ってもいい。 息を飲む美しい映像と超残虐映像が一体になったスゲえ映画だ。 ただ惜しまれるのは、悪役のタビントン大佐役のジェイソン・アイザックスの 人物造形だ。完全悪として造形されており、生身の人間というより 残酷極まりないエイリアンに近い。人間像の深みがない。 悪役を造形するのは、つくづく難しい。 実際の人間は善悪の二分法で割り切れるほど単純なものじゃない。 実際の人間はこれまでの経験上、欠点の多い奴ほど長所も多いものだ。と シャリア・ブルは思っている。 なぜなら欠点と長所は常に表裏一体だからだ。 主演のメル・ギブソンも然り。この大スターも近年の離婚報道スキャンダルで 大いに評判を落としている。 完全な人間なんかいやしない。 この「パトリオット」も完全な作品じゃない。そもそもこのタイトルで かなりソンをしている感があるからだ。 「愛国者」!?愛国者だったら、どんなに犠牲を強いられても愛する祖国を 守るために戦うべきだっていうの? シャリア・ブルは好きな女を最優先して、国家は後回しにするけどね。 まあ、血沸き肉踊る作品であることに変わりがない。 大好きな作品です。よかったら観てね。

閲覧数960