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月

113

ham********

4.0

満ちて欠け・・そしてまた満ちる

以前、温泉街のストリップ劇場とやらにご一行様で行ったことがある。 同じものを持つものとして唖然とした。なんとも衝撃的というのか? キンキンに凍らしたアイスノンに、直撃した感じだったのを覚えている。 この物語は≪あさくさ ロマンス座≫でトップを守ってきたストリッパーの 波乱万丈を描いている。子供を手放し、女ひとりが苦悩の人生を歩む。 それまで、子供を育ててきた母が亡くなり 娘が『東京の大学に行ってスチュワーデスになる』と上京。 そこで初めて我が母の仕事を目にする事になる。 この気持ちは私が受けた直撃と同じだったのではないか? まして、自分の母ならよけいに・・・ 母は、一人で生きてきたせいか気丈であるが、惚れた男にはめっぽう弱い。 どんな逆境があっても、仕事を捨てたとしても母は女であって 惚れた男にはずっと尽くしていきたいもの。 惚れた男は、顔はけしていいとは言えないし借金取りに追われ、 自殺にも失敗し情けないのだが、美人で売れっ子を手にしてしまったのだ。 皮肉なもので、姿を消した途端に妊娠し、なにもかも捨て彼女は 惚れた男のもとへと旅立っていく。・・・・恋の力ってすごい!! 女性を題材とした映画を多く手がける君塚匠監督の魔力でしょうかね? 浅草を舞台にくり広げていく母と娘と劇場を支える人たちの【下町人情劇】だと思う。 映像美の数々で、黒木瞳のストリップシーンもすこぶる美しく、 艶やかにとらえられている。 黒木瞳のヌードとまではいかなく、綺麗な背中と愛らしくもどきっとする 顔のアップに昇天していただきたい。 日本的な映画だな~ってほんわかしたムードではあるが、 女性のシンの強さを実感させられた作品とも言えます。 短期間ながらも母の舞台を見て、その背中を尊敬するようになっていく。 ラストシーンで母を愛する人のもとへ送り出した娘は、 かえるの子はカエルというが、代役に自分がストリッパーになるとは大胆な! まだあどけない肢体を観客に披露する。 ここは、ばちっと若い裸体を見て昇天してください。 さて【月】は何を意味するものでありましょう? 月を最近まじまじと見たことがありますか? 明るく見えている月は自ら発光はせず太陽の光を反射し白銀色に光ります。 母の光を浴びて娘は、それ以上に美しく光り輝いて欲しいとの願いだと思います。 明るく照らされた月をみて、体の底から息を吐いてください。 また、明日から満ちてくるでしょうから・・・。

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