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宮廷料理人ヴァテール

kon********

3.0

快楽と絶望

フランス宮廷の実態を細部まで再現した作品ですね。 仕切り一枚隔てての排泄、後始末をする使用人、妾同士のいがみ合い。 ひたすらに重く、暗く、それでいて美しい映像。 まるで動く名画を見ているかのように思わせる素晴らしい光の使い方。 まさに“見る”映画であって、”観る”映画ではなかったように思います。 仕事に命をかける男と、その才能の結晶である饗宴は目を見張るものがある。 しかし、ただ美しい、美味しそう、で終わらせることは出来ない。 この裏には彼らの並々ならぬ苦労と、計略と、希望が隠れているからだ。 フランス人が”美”にかけた情熱と、一人の男の”完璧”への執着が生み出していく 優雅さと悲しさ。美しさと醜さ。 どれが欠けてもならない、そんな危うさを秘めた映画だった。 これといって印象に残るわけでもなく、だからといってすぐに忘れ去られてしまうようなものでもない、そんな映画だった。

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