鳥の歌

PARA RECIBIR EL CANTO DE LOS PAJAROS/THE BIRD'S SINGING

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鳥の歌
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作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(1件)


  • nic********

    4.0

    映画内映画で反復される「未開vs文明」

     ボリビアの都会からアンデスの山奥の集落までやって来た撮影クルーご一行。16世紀に実際に起きた「スペイン人によるアンデス征服の歴史」を批判的に捉えた映画を制作する…というのがその目的らしく、現地民の代表である村長とは話し合いが済んでいた…はずなのだが、村民たちはいっこうに撮影に協力する素振りを見せない。  最初は懐柔策を取っていた制作チームも、村民たちとの意思の疎通がはかれないまま予定の日取りが過ぎ、ついには強引な撮影を敢行。気晴らしに野鳥を射的の的にした行為が村民たちの逆鱗に触れ、その夜、松明を掲げた彼らは撮影班の小屋を取り囲み、石を投げつけ、村から出て行くよう彼らを脅す。恐怖の夜を過ごした撮影隊はふと気づく。自分たちが行なっていた行為は、数百年昔にスペイン兵たちがこの地の民に強いていた行為を反復していたのではないか、という事実に。  都会人と田舎者、文明と未開の衝突というモチーフそのものはさほど目新しいものではないとしても、映画内映画の制作プロセスを経て、リアルとフィクションが混濁し、ネイティヴの底力を見せつける……という趣向は、ラテン・アメリカの魔術性に魅せられた者には堪えられないものがあり、またいくつかのショットは、ヘルツォーク監督の「アギーレ」や「フィツカラルド」、あるいはデニス・ホッパー監督作の「ラストムービー」あたりの先行作品を連想させるかもしれない。  そして、上記の対立図式のいずれにも属しない者として、劇中に登場する(ボリビアの僻地に移住してきた)フランス人夫妻の存在。薬草を研究する主人とその妻というのが表向きの趣向なのだが、思わぬところで彼らの素顔が明かされる。で、じつはそれこそが本作の裏テーマのような気もしなくもなかったのだが、いかがなものだろうか?

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