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トリコロール/白の愛 (1994)

TROIS COULEURS: BLANC

監督
クシシュトフ・キエシロフスキー
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  • みたログ 538

3.66 / 評価:96件

痛みが愛を知らせてくれる

  • 一人旅 さん
  • 2016年1月13日 23時55分
  • 閲覧数 1539
  • 役立ち度 8
    • 総合評価
    • ★★★★★

クシシュトフ・キエシロフスキー監督作。

妻・ドミニクに見捨てられたポーランド人の夫・カロルの愛の彷徨と再生を描いたドラマ。
「トリコロール三部作」の第二作。
前作『青の愛』とは打って変わって軽妙なストーリーが特徴だ。
妻に捨てられ孤独に陥ったカロルはフランスから母国ポーランドを目指す(出国手段もユーモラス!)。さらにはふとしたきっかけで財産を築いてしまったり、死を望む初老の男とのちょっとした交流も描かれる。前作と比べ地理的にも、そして主人公の人生自体も大きく動く。
カロルの運の無さは可哀想であり、可笑しくもある。登場してすぐに鳥にべったりフンを落とされる場面がカロルの行く末を不安にさせるし、ドミニクに愛想を尽かされた理由がカロルの勃起不全というのも情けない。性生活の問題だけを理由にカロルを一方的に捨てたドミニクの性格はかなり難ありだ。別の男と交わす情事の生々しい声を電話越しにカロルに聞かせるというマンガみたいな残酷さ。その際見せるカロルの打ちひしがれた表情があまりに気の毒だ。
本作のテーマはいわば愛と愛の戦いだ。自分に対する相手の愛を悪用し、意図的に相手を傷つける。愛は人と人を強固に結びつける一方で、相手に対する愛が深ければ深いほど、裏切られた時に受ける精神的ダメージは倍増してしまう。愛は人と人の関係を守るための盾になり、相手を強力に攻撃するための武器にもなる。愛はプラスの方向にもマイナスの方向にも作用する。そうした愛の恐ろしい面が、カロルとドミニクそれぞれの通常では考えられないぶっ飛んだ行動によって示されているのだ。
愛によって傷付き合う二人。だが、その痛みが大きければ大きいほど、今度は相手に対する自分の愛の大きさを確認できる。愛とは不思議なものだ。
主人公カロルを演じたズビグニエフ・ザマホフスキ(噛みそう....)は全然二枚目ではないが、不運に見舞われ飄飄と生きるダメ男を好演している。彼を不幸のどん底に陥れる妻・ドミニクに扮したジュリー・デルピーも女の恐ろしさと切なさに満ちた演技を見せる。
また、本作と前作の繋がりはほんの僅かで、直接的に物語には絡まない。カロルとドミニクの離婚協議が行われている法廷に、前作の主人公であるジュリエット・ビノシュが一瞬だけ顔を覗かせる程度。あとは前作同様、よちよち歩きのおばあちゃんがリサイクル用(?)のボックスにビンを入れる謎の光景が映し出されるだけ。

詳細評価

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