解説
「クリフハンガー」でコンビを組んだR・ハーリン監督とS・スタローンが再び監督、主演で顔を合わせたカーレース・アクション。共演に新星キップ・パーデュー。かつてカートレース界の花形レーサーだったジョー・タントは、現役時代のライバルで現在チームのオーナーをしているカール・ヘンリーから、新人ドライバー、ジミーの指導を頼まれる。引退を余儀なくされた大事故以来、半隠遁生活をしていたジョーだったが、ついに依頼を引き受ける決意を固める。
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映画レポート

「ドリヴン」─怒濤の劇画アクションならレニー・ハーリンに任せろ!
壊せるだけ壊し、勢いのみで突っ走る! そんなレニー・ハーリン監督の持ち味が存分に発揮された怒涛のカーレース・アクション。今さらスピードに憑かれた男の魂を語っても仕方がないと、ひたすら高速レースを疑似体験させることに徹した潔さが心地よい。
しかも、そのレース映像はハッタリをきかせまくり。実際のレース映像に、重力無視のクラッシュを次々と合成。破損し、「ツイスター」の“空飛ぶ牛”状態で宙を舞うレースカーと、降り注ぐ破片の雨のなかを突き抜けて行く後続カーの群れを、あらゆる映像技術を駆使してダイナミックに見せつける。さらには、夜の市街地でレースカー2台がチェイスするというとんでもシーンまで挿入。爆音で窓ガラスが割れ、タイヤがマンホールの蓋をはじき飛ばすといった、まさにデフォルメされた劇画世界をリアルに味わせてくれるのだ。
とはいえ、スタローンの脚本だけに、“走りたいから走り、走る限りは勝つ”というレーサーの性は押さえている。最終レース。それまでジミーのサポートに徹していたスタローンが、このときとばかりに少年の表情となって踊り出る様は、見ていて実に気持ちがいい。
これで、鳴りつづけているロックがもう少し抑えられていたら、もっと高揚できたのだが……。(山口直樹)
8月18日より、丸の内ピカデリー2・渋谷東急ほか全国東急・松竹系にてロードショー
[eiga.com/8月21日]
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2001年8月21日 更新