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イースト/ウェスト 遙かなる祖国 (2000)

EST-OUEST

監督
レジス・ヴァルニエ
  • みたいムービー 5
  • みたログ 36

3.89 / 評価:9件

(社会主義の)独裁の歴史を忘れないために

ビックカメラで偶然『戦火のナージャ』を見つけ、関連作品として検討中。

第2次大戦後、ヨーロッパにいたロシア人たちがソ連政府の招きで母国に帰るが、ただちに大部分が収監・処刑され、それを技術者ゆえに免れた主人公はフランス人の妻とともに脱出を図るという話らしい。(正確な実話かどうかは知らないが、ウソではないだろう。)

『戦火のナージャ』と同じ監督で『太陽に灼かれて』という映画もあり、2本とも、スターリン独裁の下での人々の苦難を描くものだ。

独裁体制を描く映画は、「勉強」のために多少コレクションしているが、正直なところ、なかなか見る気がしないものだ【注】。でもこの映画は、サスペンスやロマンスの要素もあり、英語圏の映画サイトIMDb では、2,730人のユーザーの投票で、10点満点中7.3という高い評価なので、余裕があれば見てみたい。舞台はオデッサとキエフで、2つの美しい街(が大戦で破壊された様子)をどう再現しているかという、興味もある。

ソ連(現ロシア)のスターリン独裁は、社会主義政権誕生(1917年)のあと10年程度で進行した。最初は共産党に批判する人々が、さらに共産党内部でも意見の異なる人々が、処刑されあるいは流刑されていった。ソ連は政権誕生後まもなく共産党以外の政党を禁止し、自由な選挙も行われなくなったので、こんな独裁者でも選挙に負ける心配はなかったわけだ。

幸い、21世紀には先進国では独裁体制が消えたが、日本の近隣には残っている。また日本でも独裁というほどではないが、公務員や地方議会などを人々の「敵」だと決め付け、これを叩いて人気を集める「ポピュリズム」(大衆扇動政治)が多少ブームになっている。さらに、軍国主義的な独裁のもと、戦争反対の言論・報道が許されなかった歴史を無視して、「昭和の戦争は国民や大新聞が望み支持した」と正当化する本も、繰り返し出版されている。

ヨーロッパ、ロシア、中国などで、20世紀の独裁を描く映画が作られているのは、もちろん歴史の教訓を忘れないためでしょう。


 【注】これまで見た独裁体制に関する映画は少ないですが、どれもレビューしていますので関心があればどうぞ。(日本で紹介されるときは変なタイトルが付けられることもありますが、マジメな映画ばかりです。)

 ・ナチスドイツ関連 →『砂漠の鬼将軍』『ヒトラー最後の12日間』
 ・イタリアファシズム関連 →『激動ヨーロッパ戦線』
 ・日本の軍国主義 →『軍閥』『人間の条件』(他には、しっかり描いたものはほとんどないようだ。)
 ・チェコの社会主義体制 →『ダークブルー』
 ・近未来SF →『1984年』など多数

 フランス、ドイツ、デンマーク、オランダなどでは、ナチスの支配に抵抗したレジスタンスを描く映画が多く作られています。東ドイツの社会主義(独裁)に関しては、『ビハインド・ザ・ウォール』『善き人のためのソナタ』などが良さそうで、余裕があれば見てみたいものです。現在の中国でも、毛沢東時代の厳しい体制を描く映画を作ることは、許されています。

 

詳細評価

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