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マレーナ

マレーナ

MALENA

92

エル・オレンス

5.0

ネタバレ少年の成長を通して映される40年代イタリア

監督ジュゼッペ・トルナトーレ&音楽エンニオ・モリコーネの黄金コンビが贈る青春ドラマ。 かなりの名作です。このコンビの代表作としてよく挙げがる『ニュー・シネマ~』(1989)や『海の上のピアニスト』(1998)に比べて、過小評価過ぎます。上の2作に引けを取らない出来栄えだと思います。 思春期の少年ならではの淡い恋と性への欲望を、これほど大胆に描ききった映画はそうないです。 美しくグラマラスなマレーナの設定年齢は27歳だけど、彼女を演じたモニカ・べルッチは、当時36歳(!)とは信じ難いほどの若々しさと美貌。これは国民から「イタリアの宝石」と崇められるのも頷けます。 一番の魅力は、激動と混沌の40年代イタリアの描写のリアルさ。まさに巨匠デ・シーカの『自転車泥棒』(1947)の情景そのものだったので衝撃的でした。不貞を許すまじき厚いカトリック信仰、娼婦を使って大人の仲間入りを果たす少年、プライバシーの欠片も無い集団社会etc..シチリア独特の民族性が色濃く映し出されているのも素晴らしいです。 E・モリコーネのメロディアスなスコアは、相変わらず涙腺崩壊必至です。 もっと多くの人に観てもらい、評価されてほしい名作。

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