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サトラレ TRIBUTE to a SAD GENIUS (2000)

監督
本広克行
  • みたいムービー 104
  • みたログ 1,786

3.74 / 評価:382件

妄想しがいのある作品。

  • my******** さん
  • 2018年7月25日 6時53分
  • 閲覧数 2012
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

とてもいい題材をもつ原作。
周りの人に自分の考えが伝わってしまうサトラレ。他の人間と共存するため、そして国家財政であるサトラレを守るためサトラレ保護法があり、冒頭から劇中もその法律の内容を現実味ある設定で説明してくれる。そのリアルな設定に本当に存在したらどうなるだろうと色々妄想させられた。

しかも、本人にサトラレとは気づかせていけないということはまで法案に含まれており、私がサトラレだったら今までの生活はどうだったんだらうと自分の事まで想像してしまった。

法案で守られてはいるが、その内容は周りの人間に「無視をしろ」という内容。劇中、おばあちゃんの「サトラレはちょっと声が大きい正直もの」というセリフがあるが、それに対して周りの人間は全員「うそつき」。サトラレ支援制度で得をしているのに、厄介者扱い。たしかにリアルな反応だが、「正直者はバカをみる」という言葉がぴったりと当てはまる。可愛そう。
現代社会のマイノリティ差別にも当てはまると思った。

一番、よく表現はできてるなと思ったのは、中盤の無人島での症例一号のシーン。彼は自分がサトラレだと気付いてしまって、政府も他の人間もいない島に隠れて暮らしてる。そして訪れた鈴木京香演じる小松に発情してしまう。久々に見る女性たちに気持ちを抑えようとするが、もちろん気持ちが漏れてしまってる訳で、本能と理性が二重人格のようになっていた。とてもよく現れていた。

八千草様。最高のおばあちゃんです。本当にこの人が出てくるだけで涙腺が緩んでしまうほど卑怯なキャスティングだと思う。全てを受け入れ、周囲には謝り、しかしこれも個性と優しさで見守る器の大きさは八千草さんにしかできないと思った。

その他、俳優陣は大変だったろうと思う。メイキングでも言っていたが、サトラレの思念は聞こえてくるが、聞こえないふりをしなければならず、かつ観客にだけ少しの反応を見せなければならない。微妙なさじ加減だ。その中でも好きだったのは、おばあちゃんがこぼしたうどんを自分で拭いてる時に、サトラレが「あれ、おばあちゃんちょっと小さくなったかな」というシーン。おばあちゃんの背中しか映らないが、ちゃんと思念を受け取っている感じがした。

ただ、残念な点もあって、やはり症例が7件なのにサトラレ関連の広告が大げさすぎたり、本広監督の悪ふざけがたくさん出てしまっていたことが残念。とくに、サトラレが外出するシーンでの周囲の動きとか、大げさすぎてシラけた。ドラマ系に徹することが出来ない監督なので、いっそのことアクション系やオタク系専門に仕事をすればいいのにと思ってしまう。

この作品はとても妄想しがいがある内容だと思う。映画の内容も素敵だが、それ以上に考えさせられる。さじ加減ではもう少しシリアスになってもおかしくない題材だが、コメディを含みながらテンポよく進んでいくので誰もが見やすい作品だと思う。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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