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ツバル (1999)

TUVALU

監督
ファイト・ヘルマー
  • みたいムービー 27
  • みたログ 73

4.00 / 評価:21件

万国ノスタルジア

  • noh***** さん
  • 2009年4月19日 9時55分
  • 閲覧数 625
  • 役立ち度 3
    • 総合評価
    • ★★★★★

1999年って!こんな映画あったかな。その頃は、ちゃんと映画館で映画を見まくってた時期なので、なぜタイトルすら知らなかったんだろうって不思議に思う。配給会社は、もっとちゃんと広報してくれりゃよかったのに。もったいない。なかなかにすてきな映画だと思うんだけど。ドニを差し引いても。このジャケットもないよなあ。ほんとに損してると思う。

「愛おしき隣人」のロイ・アンダーソン監督と正反対。あの、雰囲気のある骨董品みたいな室内プールも、地下室へと続く深い階段も、ぐるぐる四角い螺旋階段もすべてロケハンでみつけてきた実在する建造物だというからおどろき。よくみつけてきたなあ。とにかく、ファイト・ヘルマー監督は、じぶんでちょこまかなんでもやっちゃう。メイキングもおもしろかった。インタビューはわたしにとって最高の贅沢だった。だいすきなドニの、動く、素の映像を見れてうれしかった。初めてスクリーンで見たのがもう20年くらい前になるだろうか。うれしいなあ。長生きはするもんだ。たばこを吸うんだ。ふつうの人なんだ。へえ。

アントン!とか、挨拶の言葉とか、極端に台詞は排除されている。すべては身振りと表情。役者たちがほんとにうまい。アントン(ドニ)の父親役の俳優さんは、台詞もなく、サングラスをかけた盲目役。なのに、いちばん生き生きしていて表情豊かだった。すごいなあ。受付嬢(といってもでっぷりおばさん)のカタジナって女優さんもすてきだった。ふくよかな彼女は、監督のいうようにプールの魂、母。みんなを包み込んでくれる。その彼女がプールを去るうしろ姿は、ほんとにものがなしい。

中でもドニは、すばらしかった。身体能力の高い彼ならでわのシーンがたくさんあった。「ミスター・ロンリー」でチャップリンを模倣する生活を送る男の役を演じていたけれど、ここでも、さながらチャップリンのように見える瞬間があった。表情でみせてくれる。身振りで伝えてくれる。コミカルさ。悲哀。監督はきっと、ドニの演技を見て、1200人もの中から彼を選んだけれど、大正解だったと高鳴ったと思う。

エヴァがモノクロの水中で魚と舞うシーン。
そして、アントンの父のお葬式のシーン。とてもうつくしい。特に、お葬式では、あのブルガリアン・ボイスの3人がプール脇で歌ってくれる。プールサイドにはたくさんのろうそく、薔薇。ゆっくりと父をのせて船出する。幻想的なシーン。

どこだかわからない世界。いつの時代だかわからない物語。夢をみているような。懐かしく、遠い記憶。でも、未来をみているようでもある。ツバルに向かってアントンとエヴァは漕ぎ出した。でも、他の方がおっしゃるようにたどりつけないかもしれない。その目的地、ツバル自身が水没の危機にあるから。ヘルマー監督は電話帳で見つけた地名だと言ってたから、今、このことをどう感じているだろうか。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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