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焼け石に水

焼け石に水

GOUTTES D'EAU SUR PIERRES BRULANTES/WATER DROPS ON BURNING ROCKS

90

hei********

5.0

焼け石は触れぬが幸い

フランソワ・オゾンの2000年の作品。 「より多く愛するものは常に敗者となる」とは、この作品のキャッチコピーらしいですが……言い得て妙で、イタイです。 登場人物はたったの4人で、すべてのシーンが室内で繰り広げられます。 先に挙げたコピーで言うところの、敗者は3人。独善的な中年男を愛してしまった若い男と、若い男の婚約者だった女と、性転換して女になった中年男の元恋人(こうして並べると、相変わらず濃ゆい面々)。ただ1人勝者となる中年男は、どうしようもなく嫌なヤツなんだけど、そういう自分勝手なアクの強いヤツほど吸引力が強くて、一途で素直な人はそれに引き寄せられて憂き目に合う、という恋愛の理不尽さをコミカルかつシニカルに描いています。 4人で踊り出すシーンがいいですね。若い男は若干テンポが遅れていて、ほかの人のフリをちらちら見ながら踊っている。下降している彼の精神状態をうまく表していると思います。 『スイミング・プール』で豊満な肉体を晒したリュディヴィーヌ・サニエですが、この作品でも服を着ていたのは、最初のシーンのみ。それ以外はすべて裸か下着姿でした。見事な曲線美に、話そっちのけで目を奪われちゃいます。

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