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千と千尋の神隠し

千と千尋の神隠し

SPIRITED AWAY

125

sin********

5.0

花を供える、こころ。

家の近くに朽ちた社がある。 朱塗りの鳥居は木の肌が所々顔を出し、石灯籠の近くに供えてある5円玉が土に還りつつある。 「ここの神様も今頃は暇つぶしに、お油屋にでも行ってんのかな」と想う。 こんな風に思えるのは「千と千尋の神隠し」を観てからである。 僕はそんな「すぐ傍にいる八百万の神々のイメージ」を持てただけでも今作に感謝している。 それからというもの家の近所を歩く時、社や祠がないかな?と、気にかけるようになった。 そんな目で見ると、これが結構ある。 完全にコンクリで塗り固められた生活用水路の近くには「地の神」と彫られた石が鎮座していた。そして花も供えられていた。(この「地の神」はお油屋に行ってない気がした) 昔通った、通学路の河川敷の奥まった場所にも質素な祠があった。(何となく、これは覚えていた) そして、父にその話をするもっと驚いたことがあった。自分の「苗字」に、だ。 「兒玉」というのだが、もともとは「木霊」から派生しているらしい。 古来は「神官」の家系にこの苗字は多いらしい。 この作品を通して自分のルーツが朧げではあるが、少しみえた気がした。 そして改めて「すぐ傍にいる八百万の神々」を、感じたのである。 社や祠という神々の家はすでにある。 その家に神々が住めるか否かは、神々が決めることではなく、花の一つも供える心であった。

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