ここから本文です

A.I. (2001)

ARTIFICIAL INTELLIGENCE:AI

監督
スティーヴン・スピルバーグ
  • みたいムービー 346
  • みたログ 9,325

3.52 / 評価:2166件

故キューブリックの思い

  • pyokkori860 さん
  • 2006年3月28日 0時55分
  • 閲覧数 2382
  • 役立ち度 46
    • 総合評価
    • ★★★★★

本作は、故キューブリックが長年暖めていたアイデアをスピルバーグが現実化したものとされています。もしキューブリックが実際作っていれば、本・演出・音楽、何から何までまったく別のアプローチで作っていたことは間違いないでしょう。少なくとも、スピルバーグお得意の泣かせようという演出は一切なかったことでしょう。私は古くからのスピルバーグファンの一人で、レイダース以来彼の監督作品は必ず初日(ないし先行オールナイト)で観るようにしています。本作品も先々行ANで行列に並んで観ました。その一方で、一番影響を受けた映画は?と聞かれると必ず「2001年宇宙の旅」と答えており、キューブリックの作品もほぼ全部見ています。両者のファンである私としては、A.Iのレビューで、本来ストーリーの一番のキーポイントであると思われるにも関わらず、あまり皆さんが触れていない部分があるのではないかと思い、今回BS2での放送をたまたま見た直後なので書いてみます。本作品の最大のポイントは、2001年宇宙の旅で描かれた人間の進化における人間と道具の関係の延長線上にあるストーリーだと思っています。2001年では、人間の進化の最大の拠り所であった道具開発の賜物であるコンピュータHALの反乱がありましたが、結局人間はHALに勝ちます。ところが、本作品では人間の道具であるはずの主人公ロボットが人間が絶滅した後のロボットだけの世界で、DNAをもとに人間を一日だけ生き返らせるという、ロボットが人間を道具として(ロボットの自己満足のために)使う、という驚愕のシーンがラストに登場するのです。あのシーンはスピルバーグ演出であるが故に一見して「泣き」のためだけのシーンになってしまっていますが、見方によっては非常にシュールなシーンでもあるのです。もしキューブリックであればそのあたりのメッセージ性を強めた演出になっていたと思います。一部では本作品は主人公が海の底に沈んだシーンで終わるべきだったとの意見が主張されているようですが、私からするとその後の展開こそが2001年宇宙の旅から本作品へと続く「進化における人間と道具の関係」に関する一大メッセージが込められていると思っています。本作品では道具が人間を凌駕しており、最後は人間と道具の関係が完全に逆転してしまっているのです。そのような本作品のストーリーが持つ本来のメッセージ性をスピルバーグはあえて抑えたのかどうか分かりませんが、本作品があまり評価されていないのであれば故キューブリックとしては少し残念であったかもしれません。以上、両名を愛するファンの一人として思い入れも込め書かせていただきました。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 悲しい
  • 知的
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ