レビュー一覧に戻る
セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ

********

3.0

目的化した反発

2000年。ジョン・ウォーターズ監督。ハリウッドメジャーの反発する過激なアングロ映画監督(スティーヴン・ドーフ)が仲間を率いて有名女優(メラニー・グリフィス)を誘拐、彼女を無理やり主演にしてメジャー映画に反発・抵抗するプロパガンダ映画を作るが、、、という話。金をかけて安易な感動を売り、または性や暴力に訴えてカタルシスを得る映画に反発すること、それ自体が目的と化しているため、何が撮りたいのかわからない。何が撮りたいのかだんだんわからなくなっていくわけでもないので、ただただ反発あるのみ。いわば、否定的にハリウッド映画に寄りかかっています。金を否定し、性を否定し、感動を否定して、ひたすら政治的主張を叫ぶとは、つまり一方に堅牢なシステムの存在が欠かせない。メジャー映画ってそんなに堅牢なシステムなのだろうか。 そのくせ、絶対的(父権的)な監督の存在、主演女優という存在、撮影と日常の違いなど、システムとしか言いようがないものを自分たちも持っている(それに無自覚)。そういうものは何十年も前にフランスで疑われた映画の作り方だったはずだけど。 ラストでメラニーの髪が燃え、スティーヴンは火だるまになっているのですが、映画への反発という意味では、フィルムが燃えてしまうタランティーノ監督「イングロリアス・バスターズ」との差は歴然。あれは映画づくりの映画ではなかったけれども。

閲覧数770