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アンタッチャブル (1987)

THE UNTOUCHABLES

監督
ブライアン・デ・パルマ
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  • みたログ 5,824

4.26 / 評価:1804件

奥様の鑑

  • ジャビえもん さん
  • 2021年10月6日 16時27分
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

血みどろの描写があるのに、楽しい――。これこそがハリウッド映画の醍醐味です。この「アンタッチャブル」という映画は、その意味で、ハリウッド映画として最も成功した一本と言えます。連邦捜査官とギャングとの血なまぐさい抗争が描かれているのに、音楽、演出、役者の素晴らしさのおかげで、さらには適度にご都合主義がまぶされていることで、極上のエンターテインメントに仕上げられています。「ご都合主義」をことさら批判する人がいますが、現実の通りに描いていたら、映画になりませんよ。とりわけエンターテインメント映画はファンタジー的なのがいいのではないでしょうか。

音楽は、エンニオ・モリコーネが担当しています。いつもながら、いいお仕事をされています。冒頭に流れるテーマ曲は、映画のスリリングな展開を予感させます。家族愛や友情の背景に流れる音楽は温かくて懐かしく、悲劇的な場面や別れの場面で流れる音楽は、哀愁漂って切なくなる。そして、敵陣に突撃するときに流れる音楽は勇壮で、この曲がラストで流れると、それまでの悲劇なんて吹っ飛んで、なんていい映画だったんだ、ああ、楽しかった、という幸せ感に浸らせてくれます。

演出はブライアン・デ・パルマ。外連味があってこそ映画だろ、と言わんばかりに様々な創意工夫を見せてくれます。マローンが自宅で襲撃される場面や、駅の階段での銃撃戦。そして、裁判所でネスが殺し屋を追いつめる場面。独特なカメラワークにもデ・パルマらしさが溢れていて、何度でも観たくなります。
とくに駅の階段での銃撃戦。ギャング一味を階段の上で待ち構えるネス。階段の下には、乳母車を何とか階段に引き上げようと悪戦苦闘するお母さん。ネスはお母さんが気になって仕方ないのですが、ギャング一味を見逃すわけにもいかない。その落ち着かない気持ちはそのまま観客の気持ちとなり、不安感を煽られます。そこに現れるギャング一味。乳母車を引いていたことで、ネスは一味に気づかれない。そこでネスは、顔を知られているギャングの一人にまず一発。そして銃撃戦。しかし、ネスが手を離したために、乳母車が階段を……。少しやり過ぎだろという感もありますが、これぞデ・パルマ、といった演出で、ほんと、何度観ても面白い。

役者もいいですね。ロバート・デ・ニーロとショーン・コネリー。二人が出てくるだけで、映画全体が華やぎます。やっぱり、エンターテインメント映画には、スターが必要不可欠なんだと、改めて感じさせます。
ただ、その二人以上に存在感があるのは、ネスの奥様を演じた女優さんかもしれません。彼女は、ネスが命がけの戦いに飛び込んだにも関わらず、なんかほんわかしていて、少しも深刻にならない。そう見せているだけなのか、天然ちゃんなのか、とにかく、彼女が出てくるだけでほっとします。実は、この映画の血なまぐささを覆い隠している最大の貢献者は、彼女なのかもしれません。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

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