ここから本文です

嘆きの天使 (1930)

DER BLAUE ENGEL

監督
ジョセフ・フォン・スタンバーグ
  • みたいムービー 16
  • みたログ 116

3.92 / 評価:36件

ディートリッヒ、世紀のスター誕生の瞬間

  • たまごボーロ さん
  • 2018年5月21日 22時37分
  • 閲覧数 324
  • 役立ち度 1
    • 総合評価
    • ★★★★★

ディートリッヒがスターになったあまりにも有名な作品。
見ると、最初と最後でディートリッヒの顔つきがまるで違う。最初の方ではなんだかイモくさいお姉ちゃんなんだけど、物語が進むにつれて洗練されていく。この映画は時系列どおりの順に撮影されたそうで、無名女優がスターになる過程がそのままフィルムに収められているのだ。
昔読んだドキュメンタリーによると、スタンバーグ監督はまだ無名の彼女に惚れ込み、当時すでに大スターだったヤニングスそっちのけでディートリッヒの演出にばかり熱を入れていたという。プライドを傷つけられ腹を立てたヤニングスは、ローラの首を締めるクライマックスの場面でつい本気が出てしまい、周囲が騒然とした一件があったらしい。我にかえったヤニングスは怯えるディートリッヒに恐縮して謝ったそう。
そんな演者の生々しさも加わり迫力のある映画になったのかもしれない。

悪女の典型のように言われるローラだが、私にはローラに落ち度があるようには思えない。彼女は芸人としてちゃんと仕事をしているだけなのだ。
世間慣れしていないラート教授が彼女のただの親切と愛想にのぼせ上がったのは気の毒ではあるが、別にローラの対応に問題があった訳ではない。町の名士である教授にプロポーズされたら嬉しくて受けもするだろうし、教授が学校を辞めて一座と生活を共にするからには、一座の仲間としてそれなりの仕事をしてもらわなければ困る。ラート教授が「芸人に落ちぶれた惨めな姿を町の人々に見られたくない」と自分の境遇を恥じるのは、ローラに対しても失礼な話だ。そもそもあんたがその「芸人」に勝手に惚れたんでしょ、とも言いたくなる。
ホセはカルメンを殺したが、ラート教授は一人で破滅し、ローラはますます輝きを増す。ディートリッヒという現実のスター誕生とリンクする、凄い作品だなと思う。

詳細評価

物語
配役
演出
映像
音楽

イメージワード

  • 泣ける
  • 切ない
  • セクシー
このレビューは役に立ちましたか?
利用規約に違反している投稿を見つけたら、次のボタンから報告できます。 違反報告
本文はここま>
でです このページの先頭へ