謎の下宿人

THE LODGER

84
謎の下宿人
3.0

/ 2

0%
50%
0%
50%
0%
作品情報上映スケジュールレビュー

作品レビュー(1件)

セクシー14.3%勇敢14.3%不気味14.3%恐怖14.3%ゴージャス14.3%

  • rup********

    4.0

    時代ものの雰囲気醸成が秀逸

    ヒッチコックがサイレント時代に監督をした「下宿人」と同じマリー・ベロック=ローンズの小説をもとにした『切り裂きジャック』事件を扱った作品で、ドイツ出身ジョン・ブラーム監督の「戦慄の調べ」と並ぶ代表作の1つ。 冒頭から、霧の立ち込める夜のロンドンの黒光りする街並みを映し出すグルーミーな映像に引き込まれます。 女優を狙った殺人事件が頻発しているホワイトチャペルの猥雑とした界隈で、また1人新たな犠牲者が出てスコットランドヤードの警官たちが慌ただしく出動するなか、1人の体格の良い男が霧の中から悠然と姿を現わすところからしてただならぬ雰囲気を感じさせるのですが、サー・セドリック・ハードウィックとサラ・オールグッドの演じる夫婦の家に部屋を借りて下宿をすることになるこの怪しげなスレイドと名乗る男を演じるレアード・クリーガーの不気味な存在が本作の命といえるほど作品全体を支配しています。 巨体が醸し出す異様さに加えて、ライトを顔に当てて白く浮かび上がらせるカメラがその謎めいた雰囲気をさらに強調させて効果をあげているほか、夫人がスレイドの指紋を採取しようと試みる場面での、彼の体は影にして、彼の手元とグラス、夫人の表情を中心に照明を当てて際立たせるといった凝った画面づくりが随所に見られる点にも惹かれます。 さらに、夫妻の姪で2人と同居している女優のキティを演じるマール・オベロンが本作では輝いていて、舞台でフレンチカンカンを披露するなどオベロンにしては珍しく艶やかな一面も見せてくれるのも観どころの1つ。 優雅で華があるので殺人鬼の標的になってしまうのも十分納得…なんて書くのも変ですが、狙われるヒロインを華麗に演じています。 そして、事件を追うスコットランドヤードの警部補を演じるのがジョージ・サンダース。 サンダースが善人役を演じると印象が薄くなってしまうのは本作でも同じなのですが、犯人を追いつめていく鋭さには欠けているものの、40年代の二枚目役が多かった頃のサンダースは物腰の柔らかさと台詞回しに風格があるのが魅力です。 ヒッチコック版とはストーリー展開が異なっていて、ミステリーよりもニューロティックスリラーといえる作風になっているのが特徴で、フーダニットを期待すると物足りないかもしれませんが、ブラーム監督は時代ものの雰囲気醸成が優れているので、その点だけでも観ごたえがあります。

スタッフ・キャスト

人名を選択するとYahoo!検索に移動します。


基本情報


タイトル
謎の下宿人

原題
THE LODGER

上映時間

製作国
アメリカ

製作年度

公開日
-

ジャンル