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ナック

ナック

THE KNACK... AND HOW TO GET IT/THE KNACK

85

bakeneko

5.0

ネタバレ名曲に乗せて...。

アン・ジェリコーの舞台劇を才気闊達だった頃のリチャードレスターがジョン・バリーの音楽的才能を存分に生かして映像化した作品で、青春と恋愛の1ページを瑞々しく切り取って映像で謳わせた英国的な感性に満ちた傑作であります。 作曲家のジョン・バリーの訃報を聞いて、あの哀しい程に美しい旋律の数々を思い出しました。 「ダブ」、「ある日どこかで」、「キングコング」、「ザ・デイープ」、..。 オープニングからジョン・バリーの旋律と美女の捲るめく映像のカタルシスに溶け込ませてくれる本作は、ジョン・バリーのデビュー時期の傑作であり、同じく鋭い感性で売り出し中であった、リチャード・レスターの才気あふれる映像感覚とシンクロして希有な映画的躍動感を堪能させてくれます。 生命感と感性溢れる映画的な快感は、フランス映画ならば、「突然炎の如く」、「はなればなれに」、「地下鉄のザジ」になるところですが、そこは英国、“はしゃぎすぎるラテン系”と異なる“醒めた目と哀しみ”を底流に流して「ジョアンナ」の様な涼やかな落ち着きを保っています。そして、浮かび上がりすぎない控えめな語り口は“冬の陽に一瞬の煌めきと暖かさ”を感じる様に、主人公の喜びと哀しみを繊細に綴っています。 物語的には他愛も無い&スラップステイックと言っても良い、即興的なシークエンスが連なる構成ですが、全体が謳い上げる繊細な感覚とカタルシスは、物語性を超えて心に直接響いて来るのであります。 感性で映画を楽しめる方にお薦めの、美しい映画であります。 ねたばれ? J・バーキン、J・ビセット、S・ランプリングという三代美女のデビュー作でもある本作で、ジョン・バリーはJ・バーキンと恋愛&結婚します。

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